中国メディア各社の報道から、IT関連の最新動向を紹介する「中国電脳事情」。1カ月間に報じられた主要なニュースから重要なものをピックアップしてお伝えする。
工業・情報化省が選ぶ2016年の中国IT10大ニュース
―中国新聞網(2016年12月23日)
2016年12月23日、中国工業・情報化省は、2016年における科学技術分野での10大ニュースとして、次の10項目を発表した。各項目に、訳者による解説を付け加えて紹介する。
1.「メイドインチャイナ2025」が全面的に実施された
IoT等の新技術により、伝統的製造業をスマート化して、2025年までに中国を「製造大国」から「製造強国」に転換させるという国策プロジェクト。
2.高度な技術力を必要とする分野で象徴的な成果があった
主に次の5点である。
- 中国産チップを使用したスーパーコンピューター「Sunway TaihuLight」
- 中国独自の小型ジェット旅客機「ARJ21」の商業運航開始
- 中国産の多用途水陸両用飛行艇「AG600」の完成(試験機)
- 無人潜水艇「海斗号」が10767メートルの潜水に成功
- 三峡ダムに世界最大の船舶用エレベータが完成
3.中国初の「国家製造業イノベーションセンター」が設立された
電気自動車用の動力電池の研究開発を促進するために北京市他主要都市に19の同センターが開設または開設準備中。
4.「無線電波管理条例」が改正された
無線電波の合理的な利用と管理を目的とする法令。特にニセ基地局への取り締まり強化が盛り込まれた。
5.携帯電話ユーザーの完全実名登録を実現した
2016年12月31日以降、実名登録していないすべての携帯電話番号が凍結されて使用できなくなる。
6.製造業とインターネットの融合的発展の礎ができた
国務院より、1の「メイドインチャイナ2025」と同じ概念の、伝統的製造業のIT化に関する指導意見が発表される等、権威的な根拠が整備されたことを指す。
7.光ファイバー通信の農村部への普及が進んだ
中国政府が進める「ブロードバンド中国」の成果に関するもの。
8.産業用インターネットの成長が軌道に乗った
「産業用インターネット産業連盟」の設立など、中国政府の指導体制が確立したことを指す。
9.新エネルギー自動車の販売台数世界一を2年連続で達成した
中国市場における2016年1~11月の新エネルギー自動車の販売台数は40万2000台で前年同期比60.4%の増加となった。2016年通年では販売台数50万台に上ると見込まれており、2年連続で世界一となった。
10.鉄鋼業界の生産過剰状態の解消を目標以上に達成した
中国では不動産業の低迷などにより、大量の鋼鉄資材が売れ残っており、深刻な社会問題となっている。生産過剰状態であった4500万トン相当の生産能力の削減を目標値以上に達成した。
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