[事例ニュース]
JR東日本、「えきねっと」のコンタクトセンターに音声認識・要約AIを導入、応対後の処理時間を短縮
2026年3月2日(月)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)
東日本旅客鉄道(JR東日本、本社:東京都渋谷区)は、オンラインサービス「えきねっと」のコンタクトセンターに、オペレーター業務を支援するAIを導入した。AI音声認識・要約の「PKSHA Speech Insight」とFAQ管理の「PKSHA FAQ」を導入し、通話のリアルタイム書き起こしと要約、FAQシステムとの自動連携により、応対記録の作成にかかる後処理時間を大幅に短縮し、オペレーターの負荷軽減/業務効率向上を図っている。PKSHA Technologyが2026年2月27日に発表した。
東日本旅客鉄道(JR東日本)は、指定券予約や旅の情報を扱うサービス「えきねっと」を運営している。そのコンタクトセンターでは、サービス入会方法や利用時の操作方法の案内、輸送障害時の払い戻し手続きなど、さまざまな問い合わせに対応している。
JR東日本では、鉄道用語の特殊性や規則の複雑さなどから、中長期的な視点でコンタクトセンターの運用効率とコストバランスを見直す必要があった。特に、通話後に行う応対ログの作成業務において、作業負荷の軽減と記録品質の安定化の両立が課題となっていたという。
同社は次期コンタクトセンターシステムの選定にあたって、単なるコスト削減にとどまらず、音声認識・要約精度の向上によるオペレーターの負荷軽減と、管理者によるモニタリング・品質管理の効率化を同時に実現することを重視した。検討の結果、PKSHA(パークシャ)TechnologyのAI音声認識・要約システム「PKSHA Speech Insight」(図1)とFAQ(よくある質問と回答)システム「PKSHA FAQ」の導入を決定。両システムを連携させ、応対記録作成をAIが支援する業務フローを構築した。
図1:「PKSHA Speech Insight」の利用イメージ(出典:PKSHA Technology)拡大画像表示
システムの刷新により、通話後の後処理時間が削減され、現場の業務効率が向上した。導入後のアンケートでは、オペレーターの約8割以上が「システムへの全体的な満足度が高い」と回答している。
管理者によるモニタリング業務も効率化された。リアルタイムでテキスト化された複数オペレーターの会話ログを、画面上で同時に確認できる運用へと移行。途中からモニタリングを開始した場合でも会話の冒頭まで遡って確認できるため、経緯を即座に把握したうえで的確な指示やフォローを行えるようになった。また、フォロー優先度の高い顧客応対を視覚的に捉えることで、オペレーターからの要請を待たずに先回りした支援が可能になった。
JR東日本は今後、蓄積した全通話の書き起こしデータを活用し、より定量的で客観性の高い品質評価の運用を進める。データ分析を通じた導線改善や回答精度の向上を図りつつ、オペレーターの成長につながるフィードバックを実現し、人とAIが協働するセンター運営を推進していく方針である。
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