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データ統合など全製品をクラウドで提供へ、インフォマティカが2017年の方針を表明

2017年3月13日(月)田口 潤(IT Leaders編集部)

インフォマティカ・ジャパンが2017年中にすべての製品をクラウドで提供し、料金体系でも従量制のサブスクリプションモデルを導入すると発表した。スマートフォンやIoTが産み出すビッグデータがクラウドに蓄積され、分析される傾向が強まるとの見通しがある。

 2017年中にすべての製品をクラウドサービスとして従量制課金で利用可能にする−−。データの連携・統合や品質向上などに向けたデータマネジメント関連製品を提供するインフォマティカ・ジャパンが、こんな方針を明らかにした。「これを機にオンプレミスでの利用にも従量制のサブスクリプションモデルを導入し、売り上げに占める比率も30%に引き上げる」(同社の吉田 浩生 社長)という(図1)。料金モデルに関して選択肢が増えるのは一般企業にとって望ましい方向だろう。

図1:インフォマティカ・ジャパンは全製品をクラウドで提供する図1:インフォマティカ・ジャパンは全製品をクラウドで提供する
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 米インフォマティカ(Informatica)はデータマネジメント製品の専業大手。日本における売上高は未公開だが、2013年から2016年の間に3倍に増え、何らかの製品を導入する企業は500社強という(図2)。

図2:インフォマティカ製品の導入企業(一部)図2:インフォマティカ製品の導入企業(一部)
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 2年前の2015年4月には投資ファンドなどによるLBOを通じて非公開化し(同時に米Microsoft、米Salesforce.comの出資も得る)、ソフトウェア製品のライセンス販売からクラウドサービスの提供へシフトを進めてきた。その結果、システム間データ連携やデータ統合で実績を持つ中核製品「PowerCenter」は現在、オンプレミス版に加えてクラウドサービスとして提供され、連携対象もAWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azure、Salesforceなどクラウドに拡大している。

 一方で同社は、買収などを通じて関連製品のポートフォリオ拡大も進めてきた。例えばHadoopに蓄積された多様なデータの管理やプロファイリング、メタデータ管理などを担う「Intelligent Data Lake」、データをクレンジング(洗浄)し品質を維持する「Informatica Data Quality」、データセキュリティのための「Secure@Source」、アプリケーションに埋め込んでデータ統合を実行する「Vibe」、あるいはマスターデータを管理する「Informatica MDM」といった製品群である。

 同社によると、図3に示す6つの分野において、米ガートナーなどの評価でトップクラスにポジショニングされている。今回の方針は、これらのすべてを2017年中にクラウドサービスとして利用できるようにするもの。今後は、IoTなどにより生成されるビッグデータがクラウド上に蓄積され分析されるという傾向を読んでのことと見られる。吉田社長は「顧客に占めるサブスクリプション比率はまだ10%程度。17年中に30%、20年までに70%に高めたい」とする。

図3:インフォマティカが製品を提供する6つのジャンル図3:インフォマティカが製品を提供する6つのジャンル
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 ただし同社の製品は長期間利用されるものが多い。サブスクリプションモデルが必ずしもメリットがあるとは限らない。だが、「PowerCenterのような基盤に利用される製品はライセンス契約、一時的なデータ移行に何らかの製品を使う場合にはサブスクリプションといった利用形態があり得る」(吉田社長)という。「費用だけ見れば3年から5年以上使う場合はライセンス契約が有利。しかし資産計上するのか、費用にするのかという考えもある。選択肢を提供することが重要と考えている」(同)。

 同時にインフォマティカは、パートナー経由の販売も強化する考えも打ち出した。「今、パートナー経由の販売比率は売上高の30%だが、これを2017年中に50%にする。当社製品をパートナーがオリジナルのブランドでOEM販売したり、クラウドサービスとして提供したりできるようにする。いずれも料金設定はパートナーに委ねる」(吉田社長)とする。クラウドサービスは主にパートナーに委ねる格好である。クラウドサービスやパートナーの拡充により、「日本における売上高を2017年に比べて2020年には倍増させたい」(同)としている。

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