[クラウド分解辞典−Microsoft Azureの実像に迫る]

Microsoft Cognitive Servicesの概要【第10回】

2017年3月27日(月)萩原 正義(アバナード アーキテクト)

米Microsoftが開発し提供するクラウドサービスである「Microsoft Azure」(以下、Azure)の全体像に迫る本連載。前回はクラウドならではのサービスの代表格である機械学習(Machine Learning:ML)について解説した。今回は、音声認識などのユーザーエクスペリエンスを提供する「Microsoft Cognitive Services」と、深層学習(ディープラーニング)のフレームワークである「The Microsoft Cognitive Toolkit」について、その位置づけと利用方法を解説したい。

Deep Learningのフレームワーク
The Microsoft Cognitive Toolkit

 The Microsoft Cognitive Toolkit(CNTK)は、Microsoftがオープンソースとして提供する深層学習(Deep Learning)のフレームワークである。アルゴリズム、アーキテクチャー、モデルギャラリー(コードサンプル集)で構成される。前回紹介した「Azure Machine Learning」などが提供する機械学習が統計理論に基づいているのに対し、深層学習はニューラルネットワークという人間の脳を模倣したアーキテクチャーに基づいて分析する(図2)。

図2:深層学習(ディープラーニング)のアーキテクチャー図2:深層学習(ディープラーニング)のアーキテクチャー
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 図2では、データは入力層にある複数の入力点(図2の左側の2つの丸)から入り、「隠れ層」と呼ばれる複数の中間処理を経て、出力層の複数の出力点で出力される。隠れ層を多段にすることで、細粒度の処理から大きな単位での処理まで段階的に分散並列処理しデータを学習する。その結果、計算量は増えるが、学習精度が非常に高いことが確認されている。画像認識、音声認識、機械翻訳などに適用されている。

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