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Dell EMC、オールSSDストレージ「XtremIO」新版を発表、レイテンシを8割削減

2017年5月23日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

EMCジャパンは2017年5月23日、同社が2017年8月末頃に出荷を予定するストレージ製品「XtremIO X2」の特徴について都内で説明会を開いた。オールSSD構成のスケールアウト型ブロックストレージ「XtremIO」の新バージョンであり、現行版と比べて性能や容量を高めた一方、容量単価を最大で3分の1にした。

Dell EMC(米Dell Technologiesにおいてストレージなどの企業情報システム分野の製品を扱っているサブブランド)のXtremIO製品部門でプロダクトマネージャーを務めるIris Kaminer(アイリス・カミナー)氏

 EMCジャパンの「XtremIO」は、台数を増やすことによって性能と容量を拡張できるスケールアウト型のブロックストレージ。コントローラ2台とSSD群で構成するユニット「X-Brick」を、最大16ノード(X-Brick×8台)までクラスタリング接続できる。性能に注力しており、レイテンシ(遅延時間)を一定に保てるとしている。

 新版のXtremIOは、現行版と比べて、大きく4つの点を強化した。性能(レイテンシを80%削減)、圧縮効率(データ量を25%削減)、拡張性(ラック密度を4倍に向上)、価格(容量単価を3分の1に削減)である。

 性能については、現行版と比べてレイテンシを80%削減した。具体的には、VDI(デスクトップ仮想化)の用途において、現行版の1ミリ秒から0.2ミリ秒へと短縮。DBMS(データベース管理システム)用途でも80%短縮した。レスポンスを短縮できた根拠は、ハードウェアによる要因が20~30%、残りは新たに実装したライトブーストと呼ぶソフトウェアの仕組みによる。

 サーバーからデータを書き込む際、現行版ではSSDにデータを書いてからサーバーにレスポンスを返していたが、新版ではメモリー上のライトブーストと呼ばれる領域にデータを書いた時点でサーバーにレスポンスが返るようにした。ブロックサイズの16Kバイトよりも小さなデータを書き込む際にメリットが大きい、としている。

 圧縮効率については、現行版と比べてデータ量を25%削減した。具体的には、Oracle Databaseのデータベース領域100TBを圧縮した際に、現行版は4分の1の25TBに圧縮したのに対して、新版では5分の1の20TBに圧縮した。圧縮アルゴリズムの改善によって圧縮効率を向上させた。

 拡張性については、現行版と比べてラック密度を4倍に高めた。現行版と1台のX-Brickに搭載できるSSDの数を、25台から72台へと増やしたほか、1.92TBの大容量SSDを選べるようにした。さらに、NVRAMの搭載によってバッテリーユニットが要らなくなったことから、X-Brickの大きさを5U大から4U大へと減らした。新版では、1台のX-Brickで138TBまでスケールアップできる。8台のX-Brickをつないだ時の容量は1.1PBで、データ圧縮時には5.5PBになる。

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