デジタルビジネスは、様々な業種に新たなビジネスチャンスをもたらしている。その一環であるO2O(Online to Offline)やオムニチャネルは、店舗ビジネスのマーケティングに革命を起こしている。インターネットやスマートフォンが普及した現在、データを集めるのはたやすくなってきている。しかし、成功している企業は、データの使い方が違う。その成功を後方支援しているのが、可視化ツールや分析ツールだ。セルフサービスBIと呼ばれる可視化ツールの「Tableau」でO2Oマーケティングに成功したパルコ グループ執行役でICT戦略担当の林直孝氏に成功の秘密を聞いた。
セルフBIツールを使うようになった経緯は。

2014年10月、O2Oマーケティングの一環としてスマートフォンアプリ「PCKET PARCO」を地区限定でローンチ、2015年3月から全国展開を開始しました。従来ショッピングセンターの顧客の行動情報は、購買した時点のPOSデータが唯一でした。このスマートフォンアプリに登録されたカードで買い物すると位置情報やスマートフォンを介した導線など、O2Oマーケティングに必要な情報がリアルタイムに得られるのが特徴です。
例えばPOCKET PARCOでは、ユーザーに使ってもらう動機付けとしてポイント付与を行っています。パルコでは各店舗でブログを発信していますが、お客様がこのブログを見て気に入った情報をお気に入りに登録する「クリップ」というサービスがあります。このクリップを行うだけでポイントが付与されます。また、お客様が来店した際にポケットPARCOを起動しただけでもポイントが付与されます。接客・購入後にお客様が5サービス評価するシステムもあります。

拡大画像表示
このようにポイントの付与によってPOCKET PARCOを通じたお客様の行動データが取得できるようになりました。2014年の地区限定ローンチ後、全国展開をするにあたって、どうやってその効果を検証していくかが課題として持ち上がり、「可視化するツールが必要だね」という話になりました。そこでTableauを使うことになりました。
Tableauを採用した理由は。
会員登録(無料)が必要です
- 1
- 2
- 次へ >
- 「2030年には会社が消滅する」─危機感をバネに、DXに踏み出した日揮HD(2021/02/09)
- “究極の問屋”を目指してデータドリブンに舵を切る─トラスコ中山の独創経営(2020/12/16)
- 治療薬開発と共に、デジタルでも世界の認知症治療をリードする─エーザイ(2020/10/12)
- 社内情報システムの一部にコンテナ基盤を採用─NTTデータの社内IT担当者にその目的や経緯を聞く(2020/09/17)
- なぜ地方の中堅メーカーがDXを軌道に乗せつつあるのか? マイクロソフトや米スラロームと組んだ理由を幹部に聞く(2020/07/09)