[インタビュー]
情シス子会社としての存在感とデジタル技術での社会貢献を両立させていく10年に
2018年3月16日(金)杉田 悟(IT Leaders編集部)
2017年、創業20周年を迎えたNTTコムウェア。NTT東西やNTTコミュニケーションズ、NTTドコモなどと同様、NTTの100%子会社となる。NTTグループの「情シス子会社」として知られる同社だが、一方で高い技術力を活用したプロダクトやソリューションにも定評がある。2017年6月に社長に就任した栗島聡氏に、国内最大級の規模を誇るNTTのシステムを預かる情シス子会社でありながら、デジタルトランスフォーメーションを担うSI会社としての一面も持つNTTコムウェアの取り組みを聞いた。
NTTデータやNTTコミュニケーションズなど、国内屈指の大手ITベンダーが軒を並べるNTTグループにおいて、NTTの情報システム子会社としての役割を果たしているのがNTTコムウェアだ。
かんたんにその沿革を追ってみると、民営化により1985年に誕生したNTTには、通信ネットワークや交換機システム、ネットワーク設備の運用システムの開発を手掛けていた「通信ソフトウェア本部」、人事給与・経理などの社内情報システムや顧客向け料金システムを開発する「情報システム本部」という2つの本部があった。
1996年にこの2つの本部が合体して、NTTのソフトウェア部門として設立されたのが「ソフトウェア本部」。翌1997年に、ソフトウェア本部が分社独立してNTTコムウェアが誕生した。分割再編によりNTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズが分社化した1999年より2年前の話だ。
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この沿革から、もともとNTTコムウェアという会社が、通信ネットワークや交換機、ネットワーク設備といった専門性の高いネットワーク系ソフトウェアの開発・運用技術と、大規模バックオフィスシステムや顧客向け料金システムなど、業務系ソフトウェアの開発・運用技術を合わせ持っていたことがわかる。
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栗島氏は2016年にグループ会社のNTTデータからNTTコムウェアへ副社長として転籍しているが、来た当初は「NTTのシステム資産のあまりの多さにびっくりした」と振り返る。「NTTは設備産業。全国にはりめぐらされたキャリアネットワークに交換機、ルーターを含めた中継器、全国に7000ある電話局(支店)も含めて、細かく全部IT化されている」。
ネットワークはNTT東西やNTTコミュニケーションズなどのキャリアが行っているが、その後ろではNTTコムウェアが見守っている。トラブルや風雪被害、地震への対応や、ネットワークの一部が切断された時などの対応も含め、NTTコムウェアの部隊が24時間365日体制で監視している。
NTTグループ自体はITユーザーとしては、国内有数を誇る大規模ユーザー企業だ。「NTTグループ全体のIT投資のうち、どれだけの割合を占めているかを算出するのは難しいが、少なくとも基幹部分のほとんどはNTTコムウェアが担っている」状態だという。
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