福岡造船は2018年4月5日、富士通および富士通マーケティングと共同で、AR技術を活用した船舶部品の管理システムを開発し、運用を開始したと発表した。タンカーを建造する際に使う約1万5000点以上の配管部品にARマーカーを貼り付け、各部品の種類や取り付け位置などを瞬時に確認できるようにした。福岡造船は、本システムにより、外注業者による配管製造から造船への配管取り付けまでの作業工数について約35%の削減を目指す。
福岡造船は、年間約8隻の化学薬品タンカーを建造し、1隻あたり約1万5000点におよぶ配管部品の組み立てを行っている。
今回開発したシステムは、これらの部品にARマーカーを貼り付ける。現場作業員は、マーカーをタブレットで読み取ることによって、部品の種類や取り付け位置、部品ごとの図面などを確認できる。配管の納品業者が入力した製造状況や納品状況も把握でき、資材置き場の部品在庫の有無が分かる。

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配管取り付けの作業実績を、ARマーカーを読み取って表示される画面に入力することもできる。これにより、現場管理者は、作業状況をリアルタイムに把握できるようになる。空いた組み立て場所の有効活用や、現場作業員の最適配置などができる。
配管を製造する外注業者も、納品予定の部品の情報を、本システムを使って管理する。これにより、福岡造船は、外注業者の部品の製造状況や納品状況を一括で把握できる。造船の製造工程に合わせたタイミングで外注業者に納品を依頼できるようになる。
システム化の背景について同社は、現場作業の効率化が課題となっていたことを挙げる。「日々、複数の外注業者から数多くの部品が届き、現場作業員は大量の紙の設計図面を見ながら、広大な資材置き場に置かれた部品を見つけている。このため、図面との照らし合わせの負担や、部品の選択ミス、置き場不明による混乱などが発生していた」(同社)。
今後は、現場の取り付け作業を視覚的に支援するなど、AR技術の特徴を生かしたシステムを富士通グループと開発していくとしている。