[市場動向]

TIS、生成AIで開発生産性50%向上へ、2029年度までの達成に向けて全社プロジェクト発足

2025年11月4日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

TISは2025年10月31日、社内外のシステム開発への生成AIの適用を全社で推進する「AI中心開発」プロジェクトを発足したと発表した。生成AIの活用を前提に開発プロセスを再設計する。2029年度までに、開発生産性を2024年度比で50%向上させることを目標とする。2025年10月以降、TIS社内のパイロットプロジェクトへの適用を順次開始し、2026年度末までに生成AIを活用する開発基盤と開発プロセスの確立を目指す。

 TISは、「AI中心開発」のスローガンの下、社内外のシステム開発への生成AIの適用を全社で推進するプロジェクトを発足した。生成AIの活用を前提に、開発プロセスを再設計する。目標として、開発生産性を2029年度までに2024年度比で50%向上させることを掲げている(図1)。

図1:TISが発足させた、システム開発への生成AIの適用を推進するプロジェクトの概要(出典:TIS)
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 2025年10月以降、TIS社内のパイロットプロジェクトへの適用を順次開始し、2026年度末までに開発基盤と開発プロセスを確立する。要件定義からテストまでの全工程で生成AIを活用する開発基盤を再構築することで、開発者が顧客課題の抽出や合意形成など、より高度な業務に集中できるようにする。

 「既存の開発プロセスに生成AIを組み込むだけでなく、生成AIの活用を前提とした開発手法やプロセスの構築、さらに開発プロセス自体の成熟・進化が不可欠である」(TIS)と判断し、全社推進プロジェクトの発足に至ったという。

 推進プロジェクトでは、(1)開発プロセスの刷新、(2)人・組織・文化の変革、(3)リスク管理の3テーマに取り組む。

  1. 開発プロセスの刷新:要件定義や設計を含むシステム開発の全工程で生成AIの効果を最大限に発揮させるため、TISのシステム開発基盤にAIエージェントを中心とした機能群を取り入れる。これらを前提に開発プロセスを最適化する。また、進捗・品質管理などの従来のプロジェクト管理工程を、生成AIの活用を前提に再設計する。
  2. 人・組織・文化の変革:ツールの開発や技術の導入だけでなく、生成AIを活用できる人材を育成し、利用を習慣化する。技術の導入支援を通じて、新たなプロセスの浸透を促進する。AIと共に価値を創出するマインドを醸成する。中長期的には、生成AI時代に求められる人材の多能工化を推進する。生成AIと協働して付加価値を生み出せる組織を目指す。
  3. リスク管理:生成AIを安全かつ責任を持って活用する。情報セキュリティ、知的財産、倫理などの観点に加え、国内外の規制や社会的要請の動向も踏まえ、規程や契約を整備し、生成AI活用を踏まえたリスクマネジメント体制を構築する。
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