[新製品・サービス]
CTC、COBOLをJavaにリライトするSI「re:Modern」、生成AIがコードを理解してコメント付与
2025年10月29日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は2025年10月28日、レガシーシステム刷新のSIサービス「re:Modern」を提供開始した。メインフレームなどで稼働するCOBOLシステムをJavaに変換する移行作業と、運用フェーズまでを見据え、要件定義から保守・教育支援までの伴走型支援を提供する。言語の変換にはCTC独自のリライトツールを用いる。
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の「re:Modern」は、メインフレームなどで稼働するCOBOLシステムをJavaに変換・移行するSIサービスである。運用フェーズまでを見据え、要件定義から保守・教育支援まで伴走型で支援する(図1)。
図1:モダナイゼーションサービス「re:Modern」の概要(出典:伊藤忠テクノソリューションズ) 「老朽化したレガシーシステムの存在が業務の効率化や柔軟性の妨げになっている。システムの拡張・保守が難しいことや、技術者の高齢化や退職による人材不足などが企業の競争力低下につながる。解決策は、クラウドやオープンシステムへの移行を含めたシステムの刷新である」(CTC)
re:Modernでは、CTCが独自に構築した、COBOLをJavaに自動変換するリライトツールを利用する。その際、有効な変換結果を得るために生成AIを活用する。「生成AIが移行対象システムの設計書やプログラムの処理内容を理解し、変換後のコードに適切なコメントを記載する。COBOLの知識がない開発者でも既存システムの処理内容を把握しやすくなる」(同社)
Javaへの変換後に必要となる補助機能(ライブラリ)に、オープンソースソフトウェア(OSS)を採用している。保守終了のリスクやベンダーロックインなどの課題を回避しながら、実行環境を自由に利用・構築できるとしている。
CTCはSIの延長で、運用後の保守や技術的な問い合わせに対応する。変換ルールの理解促進やレビュー手法の習得を目的としたトレーニングやドキュメントの整備なども含まれ、技術・教育の両面からレガシーシステムのモダナイゼーションを伴走型で支援する。
今後、COBOLだけでなくPL/IやRPGからJavaへの変換、ストアドプロシージャのPL/SQLからJavaへの変換、変換先としてJava以外にもNode.js(JavaScript)などの各言語といった要望に応じられるようにする予定。また、オープンレガシー(標準的だが古い技術に依存しており、保守や改修が難しいもの)のバージョンアップやマイグレーションも請け負うとしている。
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