[新製品・サービス]
国産メインフレームからIBMメインフレームに自動変換で移行する「Caravel zShift」─SCSKとキンドリル
2025年11月14日(金)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)
SCSKとキンドリルジャパンは2025年11月14日、リホストツール/SIサービス「Caravel zShift」を共同開発し、2026年春から提供すると発表した。スペインBASE100の自動変換ツールを用いて、国産メインフレームからIBM製メインフレーム「IBM Z」への移行を支援する。
SCSKとキンドリルジャパンが共同提供する「Caravel zShift」は、国産メインフレームからIBM製メインフレーム「IBM Z」への移行を支援する自動変換ツール/SIサービスである。スペインBASE100(国内総販売代理店:トランスウェア)の変換ツール「Caravel」を利用する(画面1)。
メインフレーム上で稼働するアプリケーション、データベース、JCL(ジョブ記述言語)を自動的にIBM Z環境へと変換する。BASE100の変換ツールと解析技術をコアに、SCSKとキンドリルジャパンのノウハウを投入して移行を支援する。
変換後のシステムは、SCSKのマネージドサービス「MF+」またはキンドリルジャパンのクラウド型メインフレームサービス「zCloud」で稼働させる(関連記事:SCSK、メインフレーム「IBM z16」のホスティングサービスを2025年春に開始/キンドリル、メインフレームのIaaS「zCloud」の計算資源を拡充、東京近郊に新DCを開設)。
メインフレームを運用中の企業にとっての不安要素の1つに、ベンダーサポートの継続の問題がある。富士通は2022年に自社製メインフレームの販売を2030年度に終息し、保守を2035年度に終了することを発表している。日立製作所はメインフレームのハードウェア開発をすでに終了し、保守・サポート、OSおよび関連ソフトウェアの開発については継続している。
また、メインフレームの移行先としては、WindowsやLinuxなどのオープンシステムへの移行も有力視されている。しかし両社は、オープン環境への移行時の課題として、非機能要件、開発言語の互換性、運用負荷を挙げ、これらの観点で移行が困難な企業もあると指摘。「重要な基幹業務については、IBM Zへのリホストが現実的な選択肢の1つになっている」と説明する。SCSKとキンドリルは、こうした状況をとらえて、顧客に開発・提供の継続を表明しているIBM Zへの移行サービスを提供する。


































