特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(LPI-Japan)は2025年11月4日、Linux技術者認定資格試験「LinuC」のレベル体系を改定し、2つの新しい認定試験を発表した。専門領域のスペシャリストを認定する「レベル3」試験を、「プラットフォームスペシャリスト」と「セキュリティスペシャリスト」の両試験に刷新した。また、最上位の「LinuCシステムアーキテクト」を「LinuCレベル4 システムアーキテクト」に改称した。新体系の試験は、同年12月1日から全国のテストセンターおよびオンラインで受験できる。
エルピーアイジャパン(LPI-Japan)は、日本国内のITプロフェッショナル育成を目的とした特定非営利活動法人(NPO法人)である。Linux技術者認定資格試験「LinuC(リナック)」のほか、オープンソースソフトウェア(OSS)のデータベース、クラウドサービス、HTML5などの認定試験を実施している。
LinuCはこれまで、レベル1(Linuxシステムの操作・運用)、レベル2(Linuxサーバーの構築・管理)、レベル3(専門領域のスペシャリスト)に、2023年11月に最上位として「LinuCシステムアーキテクト認定試験」が加わった4つのレベルで、技術者が段階的にスキルを積み上げられる認定体系で運営されてきた(関連記事:LPI-Japan、Linux技術者認定の最上位「LinuCシステムアーキテクト認定試験」を2023年11月に開始)。
図1:Linux技術者認定資格試験「LinuC」の新レベル体系(出典:エルピーアイジャパン)拡大画像表示
今回、LinuCレベルの一部改定を行った(図1)。基礎のレベル1とレベル2に変更はない。専門領域のスペシャリストに該当するレベル3で、従来の「300試験」「303試験」「304試験」を、2つの新認定試験「LinuCレベル3 プラットフォームスペシャリスト(LinuC-3 PS)」および「LinuCレベル3 セキュリティスペシャリスト(LinuC-3 SS)に刷新した。
新体系のレベル3は、ITスキル標準(ITSS)のレベル3に相当する。プラットフォームスペシャリストは、「仮想マシン/コンテナ基盤の設計・構築」「高可用性クラスタ、負荷分散システムの構築」「インフラの構成管理自動化、監視、バックアップ」といったスキルを認定する。一方のセキュリティスペシャリストは、「セキュアなLinux環境の設計・構築(サーバー、コンテナの堅牢化)」「セキュアプロトコル、認証・認可基盤の実装」「不正侵入や改竄の検知、セキュリティ診断の実施」といったスキルを認定する。
また、最上位のLinuCシステムアーキテクトを「LinuCレベル4 システムアーキテクト(LinuC-4 SA)」に改称した。図2は今回の改定で追加・改称された認定試験のロゴマークである。
図2:今回の改定で追加・改称された認定試験のロゴマーク(出典:エルピーアイジャパン)拡大画像表示
LPI-Japanは、レベル3を改定する背景として、「システムからプラットフォームへの変化」と「設計時点でのセキュリティの組み込み」という2つの技術トレンドを挙げて以下のように説明している。
「システムは“構築して終わり”から“継続運用・改善するプラットフォーム”へと進化した。同時に、攻撃対象領域の拡大と脅威の高度化により、基盤設計の初期段階からのセキュリティの組み込みが不可欠になっている。にもかかわらず、システムの全体像を広く把握したうえで課題解決し、設計・運用できる高度人材が慢性的に不足し、深刻な課題となっている。こうした市場の要請に応えるために LinuCの上位認定を刷新することにした」
新体系の試験は、予約を2025年11月4日に開始し、同年12月1日から全国のテストセンターおよびオンラインで受験が可能になる。

































