旭酒造と富士通、富士通研究所は2018年4月19日、富士通研究所が開発した日本酒造りを支援するAI予測モデルを用いて、旭酒造が製造・販売する日本酒「獺祭(だっさい)」の醸造を行う共同実証実験を実施すると発表した。
日本酒醸造の流れを定義した数理モデルと、獺祭の醸造工程において計測される実際のデータを用いた機械学習を組み合わせることで、日本酒醸造工程における最適なプロセスを支援する。
実際に獺祭の醸造工程においてAI予測モデルを活用する。日本酒醸造工程におけるAI予測モデルの妥当性や、AI予測モデルの精度向上、ならびに日本酒造りにおけるAIの実用化について検証する。
旭酒造が過去に蓄積した醸造工程での温度・比重などのデータを基に開発したAI予測モデルに対し、実際の日本酒の醸造工程を通じて、予測情報を算出する。これにより、AI予測モデルの妥当性について、確認・検証する。
また、実際の醸造現場での計測情報や、社員の経験と勘に基づいた行動を、データとして取り込み、AI予測モデルの精度を高める。
旭酒造はこれまでにも、原料となる酒造好適米「山田錦」の安定調達を目的に、2014年4月から富士通の食・農クラウド「Akisai」を、契約栽培農家に導入し、酒造好適米の栽培技術の見える化・共有化に取り組んできた。
今回、これに加えて、富士通のAI技術「Fujitsu Human Centric AI Zinrai」を日本酒造りに活用する。日本酒造りに関わる社員各自の経験や、高品質な日本酒造りのノウハウを見える化する。実証期間は、2018年4月~6月の予定である。