[市場動向]

シトリックスの国内業績は15%増、アプリケーション高速化が52%増と好調

2018年9月6日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

シトリックス・システムズ・ジャパンは2018年9月6日、都内で説明会を開き、直近の事業状況について説明した。国内の2018年度上半期の売上は前年同期比で15%増えた。負荷分散装置「NetScaler ADC」を中核とするネットワーク事業が52%増と大きく伸びている。

 グローバルの業績は、2018年第1四半期が前年同期比で5%増、第2四半期が7%増である。これに対して国内の業績は、2018年度上半期が前年同期比で15%増と大きく伸びた。負荷分散装置「NetScaler ADC」を中核とするネットワーク事業が52%増、プロフェッショナルサービス(構築や保守などのSIサービス)が129%増と伸びが大きい。

図1:シトリックス・システムズ・ジャパンの業績(出典:シトリックス・システムズ・ジャパン)図1:シトリックス・システムズ・ジャパンの業績(出典:シトリックス・システムズ・ジャパン)
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 同社が扱っている製品・サービスは、いずれもより良い仕事環境を提供することに注力している。シンクライアントを介したWindowsの遠隔利用(アプリケーション仮想化のXenAppとデスクトップ仮想化のXenDesktop)を中核に、アプリケーションを高速に利用するネットワーク機器(NetScaler)、SD-WAN、SSO(シングルサインオン)機能、などを提供する。

写真1:シトリックス・システムズ・ジャパン社長の青葉雅和氏写真1:シトリックス・システムズ・ジャパン社長の青葉雅和氏
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 「働き方改革がビジョン」と、社長の青葉雅和氏はアピールする。「現在の職場環境は様々で、モバイルワークとオフィスワークが半々。1日に4カ所以上の場所で仕事をする。アプリケーションも多くがクラウド上で動いている」(青葉氏)。

 同社製品のユーザー層は多岐にわたる。同社によると、現場の業務を効率化して顧客満足度を上げる使い方は、銀行・保険・証券やガス・電気・鉄道などの業界でよく使われている。コラボレーションを加速する用途は製造業で、柔軟な働き方を実現する用途は全業種で使われている。

 最近のユーザー需要の1つにSD-WAN(ソフトウェアによって遠隔地から設定を変えられる拠点のエッジルーター)がある。拠点ルーターの典型的な設定が、SaaSアプリケーション(Office 365など)への通信経路を、本社を介さずにインターネットに直接出ていかせる、というものである。

 アプリケーション仮想化は、Internet Explorer 6などの古いアプリケーションを塩漬けにする用途にも使われる。こうした古いアプリケーションをサーバー上のWindows Serverで動作させ、これを最新OSを搭載したクライアントPCからシンクライアント経由でリモート利用するという使い方である。

 今後は、パートナー企業とともに新たな市場の創造に注力する、としている。日本マイクロソフトとの協業では、クラウドサービスのAzure上でCitrix製品をメニュー化し、日本マイクロソフトと一緒に売る。

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Citrix / SD-WAN / Office 365 / XenApp / XenDesktop / Microsoft / ADC

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