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レッドハット、Kubernetesネイティブなコンテナアプリ開発環境「Red Hat CodeReady Workspaces」を発表
2019年2月21日(木)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)
米レッドハット(Red Hat)の日本法人は2019年2月21日、コンテナオーケストレーション基盤のKubernetesで動作するWebベースの統合開発環境(IDE)「Red Hat CodeReady Workspaces」を発表した。米国で2月5日に発表済みで、同社のDocker/Kubernetesコンテナ用PaaS「Red Hat OpenShift Container Platform」を利用する開発者に1月30日から無料で配布している。
Red Hat CodeReady Workspacesは、オープンソースの「Eclipse Che」をベースにした“Kubernetesネイティブ”なコンテナアプリケーションのためのIDE(統合開発環境)。コンテナアプリケーションのコーディング、ビルド、テスト、実行、デバッグに必要なツールと依存関係を含む共有可能な開発者環境を提供する(図1)。
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CodeReady Workspacesの最大の特徴は、Kubernetesクラスタ内でネイティブに動作するIDEという点である。レッドハットは、CodeReady Workspacesがコンテナアプリケーションの開発・展開にまつわる既存の多くの問題を解決するとしている。
その1つとして、開発者が既存のローカルの開発環境でコンテナアプリケーションを構築する場合、本番稼働させるKubernetes環境との差異から問題が生じる可能性がある点を挙げる。例えば、ローカルの環境で管理者権限で動作するコンテナアプリケーションを作成して、本番環境に展開する際、セキュリティ上の問題から修正を余儀なくされる、といったケースだ。
OpenShift Container Platformを利用する開発者は、CodeReady WorkspacesからKubernetes環境にアクセスして、コンテナアプリケーションの開発から本番稼働までを単一のインタフェース/エクスペリエンスで一貫して行える。Webブラウザからあらゆる機能が利用でき(画面1)、レッドハットは、「Kubernetesに関する特別な知識を必要とせずにコンテナアプリケーションを開発し展開できる」ことをアピールしている。
CodeReady Workspacesは、2017年に発表した「OpenShift.io」サービスから一定領域を切り出して、機能強化とブラッシュアップを行った製品ととらえることができる(関連記事:Red Hat Summit 2017 レポート)。同社は後継製品とは位置づけず、OpenShift.ioのサービスも継続提供する方針という。