デルとEMCジャパンは2019年6月20日、説明会を開き、米Big Switch NetworksのネットワークOSとSDNソフトを、自社製品として販売開始すると発表した。これまでも外部の1次販売代理店を経由した形で顧客に販売してきたが、今後はOEM(相手先ブランドによる生産)供給を受ける形で自社製品として取り扱う。製品ブランド名は、米Big Switch Networksの名称をそのまま使う。ユーザーから見ると、これまでの販売体制と比べて、サポート面などでメリットがある。
デルとEMCジャパンは、ネットワーク製品群の構想として、ソフトウェアとハードウェアを自由に組み合わせられる「オープンネットワーキング」を掲げている。この構想を支える製品として、ホワイトボックス型スイッチ(汎用的なハードウェアスイッチに、様々なネットワークOSを自由に組み合わせて使うスイッチ)やネットワーク仮想化ソフト、SDNソフトなどを提供している。ネットワークスイッチ構築用のLinux OSとして、自社開発の「OS10」や、米Cumulus Networks製品、米Big Switch Networks製品などを取り扱ってきた。
今回、デルとEMCジャパンは、自社製品として米Big Switch Networks製品を取り扱うこととした。これに合わせて、ネットワークOSを動作させるホワイトボックス型スイッチ機器のハードウェアの名称を「PowerSwitch」とした。ユーザーは、これまで通り、自由にソフトウェア(OS)とハードウェアを組み合わせられるが、米Big Switch Networks製のOSを選んだ場合は、以前よりも強力なサポートをデルとEMCジャパンから直接受けられる。
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米Big Switch Networks製ネットワークOSの特徴の1つは、米Big Switch Networks製ネットワークOSを搭載した複数台のスイッチ機器をSDNソフトから集中管理できることである(図1、写真1)。スイッチ機器側で動作するOSは、ラインカードとしてデータを処理するための機能を提供し、これを集中管理するSDNソフト「Big Cloud Fabric」がネットワーク制御機能を提供する。複数台のスイッチ機器を束ねて1台のスイッチ機器として利用できる。