IDC Japanは2019年7月5日、2019年第1四半期(1月~3月)における国内外付型エンタープライズストレージシステム市場の売上額実績を発表した。ベンダー売上額は533億9800万円で、ベンダー別売上額の上位5社は富士通(18.1%)、日立製作所(16.9%)、Dell Technologies(15.4%)、ネットアップ(10.7%)、NEC(8.9%)だった。IDC Japanによると第1四半期の売上額で国産大手3社の合算値シェアが50%を下回ったのは、この十年来で初めてという。
IDC Japanの調査によると、2019年第1四半期における外付型エンタープライズストレージシステムのベンダー売上額は、533億9800万円に達した。売上額の上位5社は、富士通(18.1%)、日立製作所(16.9%)、Dell Technologies(15.4%)、ネットアップ(10.7%)、NEC(8.9%)だった。
国産大手3社の合算値シェアは、43.9%となった。IDC Japanによると、第1四半期の売上額において、国産大手3社の合算値シェアが50%を下回ったのは、この10年来で初めてであるという。
ベンダー売上額にマージンを加算した支出額は、562億8800万円となり、前年同期比8.2%増となった(表1)。
ハードディスクからフラッシュへの移行が進む
支出額を搭載メディア別に見ると、HDD(ハードディスク)からフラッシュへの移行が進んでいる。オールフラッシュアレイ(AFA)の支出額は、142億7400万円で前年同期比75.2%増、ハイブリッドフラッシュアレイ(HFA)は236億4100万円で前年同期比16.7%増となった。一方で、オールHDDアレイは183億7300万円で前年同期比22.3%減となった。
この結果、支出額に占めるAFAの比率は、25.4%(前年同期15.7%)に上昇した。中央官庁の年度末を含む第1四半期にAFAの比率が大幅に上昇した背景について同社は、一般のユーザー企業のシステム更改においてもAFAが用いられるようになってきたことを挙げる。
支出額をセグメント別に見ると、メインフレームからオープンシステムへの移行が進んでいる。メインフレーム向けが53億4400万円で前年同期比6.1%減、オープンシステム向けが509億4400万円で前年同期比9.9%増となった。
メインフレーム向けの支出は低迷
メインフレーム向けは、2015年の大型更新のピーク以降、支出が低迷している。「オープンシステム向けは、ハイエンドとミッドレンジが2桁のプラス成長となったことが市場の拡大に貢献した。引き続き、国内のサービスプロバイダーにおける外付型エンタープライズストレージシステムの需要が市場を牽引している」(同社)。
今回の発表は、IDC Japanが発行したレポート『国内エンタープライズストレージシステム市場 2019年第1四半期の分析』(J19111302)で詳細を報告している。