ガートナー ジャパンは2019年7月24日、国内企業のソフトウェア契約交渉に関する調査結果を発表した。国内SAP/Oracleユーザーの過半数が第三者保守を利用または検討経験ありと回答した。利用中のソフトウェアの課金方法については、依然としてユーザー数ベースが主流だが、扱うデータ量に応じた課金へとシフトしつつあるとガートナーでは見ている。
国内企業のソフトウェア契約に関する調査の1つとして、国内SAP/Oracleユーザーによる第三者保守サービスの利用状況を調べた(図1)。結果、過半数のユーザーが検討した経験があることが分かった。検討したことがないユーザーは44.1%と最も多いが、半数を切っている。
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検討の経験があるユーザーの内訳は、利用中の企業が15.1%、利用に向けて準備中の企業が4.5%、検討したが不採用の企業が6.7%、検討中の企業が29.6%、である。
ユーザー数課金が主流だが、今後はデータ量課金への移行が進む
調査では、ソフトウェアの課金形態についても調べた。従来は、ソフトウェアを利用する「ユーザー」数に基づく課金が一般的だった。調査の結果でも、業務ソフトウェアとデスクトップソフトウェアの双方で「ユーザー課金」が最も多く、約半数を占める(図2)。
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データ量で課金する割合は、業務ソフトウェアで11.1%、デスクトップソフトウェアで8.6%と、さほど高くない。データ量以外の課金形態で業務ソフトウェアを契約する回答者に対して、データ量課金への変更をベンダーから提案されたことがあるかを尋ねたところ、77.4%が「ある」と答えた。
ベンダーにとって、データ量課金は新しい商機である。業務ソフトウェアを中心に、今後、データ量課金への変更を迫られるユーザー企業が広がるとガートナーは見ている。
背景の1つとして同社は、IoTやAI、RPAの普及などにより、何をもってユーザーとするかの定義が曖昧になっていることや、デバイス数の測定が難しくなっていることなどを挙げる。