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SAPのグローバル共創施設「SAP Leonardo Experience Center」が国内にも開設
2019年8月6日(火)杉田 悟(IT Leaders編集部)
SAPジャパンは2019年8月5日、ユーザー、パートナーとの共創イノベーション施設「SAP Leonardo Experience Center Tokyo」を東京・大手町に開設したと発表した。併せて、グローバル研究開発組織「SAP Labs Japan」の設立および、スタートアップ向けアクセラレーションプログラム「SAP.iO Foundry Tokyo」の提供開始を発表した。
ユーザーやパートナーとの共創イノベーションスペース
SAP Leonardo Experience Centerは、SAPがユーザーやパートナー企業と共にデジタル変革を推進するための共創イノベーション施設。デザイン思考(Design Thinking)のアイデア出しだけで終わらせず、アイデアを実行に移し、ユーザー企業のデジタル変革が成功できるように支援する場として世界各国で展開している。
今回、東京・大手町に開設したSAP Leonardo Experience Center Tokyoは、デザイン思考を実践する「ヒューマン・インタラクション・スペース」(写真1)とデジタル変革後をバーチャル体験できる「デジタル・インタラクション・スペース」(写真2)で構成されている。
独SAPのエグゼクティブボードメンバーで最高執行責任者(COO)を務めるクリスチャン・クライン(Christian Klein)氏(写真3)は、「デジタル変革のために必要となる2つのスペースを、物理的に1つの施設に集約させた、SAPとしては世界初の施設」だとしている。
施設名にSAPのIoT関連サービスの総称である「Leonardo」が使われているが、「SAP Leonardo Experience Centerは、IoTに限らずデジタル変革全般を対象としたもの」(クライン氏)だという。
グローバルで連携する研究開発組織
SAP Labsは、SAPソリューションの開発を担う研究開発組織。特定のアプリケーションやテクノロジー、市場に焦点を当てた研究開発を推進するための組織となっている。それぞれの地域では、ユーザー、パートナー、大学、スタートアップ企業と連携し、エコシステムを構築している。また、各地域のSAP Labsは「SAP Labs Network」として緊密に連携している。
SAP Labs Japanでは、SAP標準ソリューションの日本市場向け機能拡張、日本が強みとする分野の知見をグローバルの開発に寄与といった取り組みを行っていくとしている。SAP Leonardo Experience Center Tokyoにおけるプロトタイプ作りにも参画する(写真4)。
SAPジャパン代表取締役社長の福田譲氏(写真5)は、「日本は少子高齢化、生産年齢人口の減少、大都市への人口集中などの社会課題に、世界で最も早く直面する課題大国。その日本が、最新のデジタルテクノロジーを使って課題にどのように向き合っていくのかをコンテンツ化・フレームワーク化し、世界に提供していく。"課題解決先進国"になるための支援をしていきたい」とSAP Labs Japan設立の意義を語った。
スタートアップ向けアクセラレーションプログラム「SAP.iO Foundry Tokyo」は、2019年2月に募集を開始し、応募53社の中から5社を選考。工場内スキル管理SaaSのイノービア、VRコンテンツプラットフォームのInstaVR、B2B不動産テックのestie、AIを活用したオンライン面接ツールのZENKIGEN、SNS用トラフィック管理ツールのFuzed.linkだ。2019年7月16日から12週間にわたり支援プログラムを実施、同年10月末に最終成果発表会である「Demo day」を予定している。