[事例ニュース]
アシスト、RPAで労務管理を年間370時間削減、機能テストツール「Unified Functional Testing」を利用
2019年10月11日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)
アシストは2019年10月10日、RPA(ロボットによる業務自動化)ソフト「Unified Functional Testing」(UFT、英Micro Focus製)を人事部門で採用したと発表した。勤怠システムからのデータ抽出・加工や、勤務時間のチェックといった労務管理業務を自動化した。半年間で20体の業務実行ロボットを作成し、業務時間を1年あたり約370時間削減した。
アシストの人事部門はこれまで、労務管理業務に時間をかけていた。特に、勤怠システムからデータを抽出して加工する作業は、単純作業だがミスが許されないため、複数名でのチェック作業が必要になっていた。これを解決するため、ロボットによって業務を自動化するRPAに取り組んだ(図1)。
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RPAを導入後、半年間で20体の業務実行ロボットを作成した。導入の効果は大きく、業務時間を1年あたり約370時間削減することに成功した。また、作業時間を削減できたことに加えて、機械的にロボットが処理することから、入力ミスなどのヒューマンエラーを防止できるようになった。
アシストでは、RPAによって、2020年までに1年あたり500時間の業務時間削減を目指している。
RPAソフトとしては、アシストが販売している「Unified Functional Testing」(UFT、英Micro Focus製)を採用した。RPAソフトの選定にあたっては、人事部門のC/S(クライアントサーバー)型システムを対象に、他社のRPAソフトも検証した。ところが、他社のRPAソフトでは画像認識しかできず、ロボットの動きは不安定だった。一方、UFTはオブジェクト認識をベースとしているため、安定して自動化できた。
WinRunner後継の機能テストツールをRPAに応用
UFTは本来、システム開発のテスト工程で利用する、機能テストツールである。機能テストツールは、ユーザーのGUI操作を自動的にスクリプトに変換し、記録した内容を人の代わりに実行する。この特徴を生かせば、テスト業務以外に、業務の自動化用途に利用できる。
UFTをRPAツールとして使った場合の特徴として、画像認識に基づいた処理だけでなく、Windowsのオブジェクトを認識した処理ができる。また、業務処理中の画面ショットを自動で取得して処理を実行したエビデンス(証拠)として利用できる。
なお、UFTは、米Mercury Interactiveが機能テストツール「WinRunner」の後継として開発した「QuickTest Professional」(QTP)が基になっている。その後、QTPとバックエンドの機能テストツール「HP Service Test」をパッケージ化し、GUIフロントエンドとバックエンド処理の両方をテストできるツールとしてUFTができた。