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Dell EMC、バックアップ専用ストレージ新ブランド「PowerProtect DD」、Data Domain後継

2019年10月15日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

デルとEMCジャパンは2019年10月15日、データバックアップ用のNASストレージ「Data Domain」の後継ブランドとなる新機種「Dell EMC PowerProtect DD」を発表した。新機種では、ソフトウェアのバージョンを「Data Domain OS 6.2」から「DDOS 7.0」へと高めており、バックアップ性能を最大で38%高速化した。価格(税別)は、2100万円から。

 Dell EMC PowerProtect DDは、データバックアップ用途に特化したNAS(ファイル共有)ストレージである(写真1)。特徴は、ストレージの物理容量を超えたデータを保存できるように、重複排除機能を備えること。基本はストレージ側で重複排除をかけるが、専用のエージェント「DD Boost」を使うことでバックアップサーバー側に重複排除機能をオフロードできる。これにより、ネットワーク転送量を抑えられる。

写真1:PowerProtect DD9900の外観写真1:PowerProtect DD9900の外観
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 内蔵ストレージとクラウドストレージを階層型で運用できる「Cloud Tier」機能も備える。外部のゲートウェイを介することなく、データの保存先としてクラウドストレージを利用できる。また、クラウドストレージ上のバックアップデータを使って災害時にシステムを復旧する「Cloud Disaster Recovery」機能も備える。

 ストレージの物理容量(有効容量)は、最小構成1TBから最大1.25PB(ペタバイト)まで、シングルラックで拡張できる。データ削減の効率は最高で65対1をうたう。これにより、ストレージの論理容量は、シングルラックで最大81.3PBまで拡張できる。Cloud Tier使用時は最大211PBまで拡張できる。

 新機種のPowerProtect DD(DDOS 7.0)は、従来機種のData Domain(Data Domain OS 6.2)と比べて、性能を高めた。Dell EMCによる社内テストでは、PowerProtect DD9900は、Dota Domain DD9800と比べて、最大で38%高速にバックアップができ、最大で36%高速にリストアができたとしている。また、従来機種比で最大35%の省電力を実現したとしている。

 バックアップストレージ新機種に合わせて、周辺ソフトウェアも強化した。

 データバックアップソフト「Dell EMC PowerProtectソフトウェア」については、VMware vSphereとの連携を強化した。VMwareのデータを簡単にバックアップできるようにしたほか、セルフサービス型でデータをリカバリできるようにした。Cloud Disaster Recovery機能とも連携し、クラウド上にバックアップしたVMware仮想サーバーを用いたフェイルオーバーとフェイルバックを自動化できるようにした。

 PowerProtect DDに格納したデータをサイバー攻撃から守るソフト「PowerProtect Cyber Recovery」(旧称は「Dell EMC Cyber Recovery」)も強化した。同ソフトは、PowerProtect DDをネットワークから切り離して遮断することによってデータを守る。今回の強化点として、切り離して安全を確保したPowerProtect DDからデータを自動でリストアする機能を追加した。攻撃から遮断した安全なコピーデータを利用してリストアできる。

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