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富士通、5G通信のスイッチに適したFPGA内蔵PCサーバー「PRIMERGY RX2530 M4p」

2019年12月13日(金)IT Leaders編集部

富士通は2019年12月12日、PCサーバーの新機種として第5世代移動通信方式(5G)向けの高速仮想スイッチとして運用することを想定した「PRIMERGY RX2530 M4p」を発表した。同日、販売を開始した。価格(税別)は、335万2200円から。

写真1:「PRIMERGY RX2530 M4p」の外観写真1:「PRIMERGY RX2530 M4p」の外観

 富士通の「PRIMERGY RX2530 M4p」は、FPGA一体型のCPU(Xeon Gold 6138P)を標準で搭載したPCサーバー機である(写真1)。

 富士通が独自に設計した論理回路をFPGAに組み込み、仮想ネットワーク上のパケット処理を実行する仮想スイッチの機能を持たせている。FPGAを仮想スイッチとして動作させるためのソフトウェアと共に提供する。

 仮想スイッチのパケット転送処理を、CPUと一体化したFPGAにオフロードさせる仕組み。これにより、膨大な音声やセンサーなどのデータを想定した64バイト長のショートパケットを、毎秒1億回処理できる。これは、従来のCPUのみを利用した仮想スイッチと比べて約4.5倍の処理速度に相当する。5G通信での超低遅延なデータパケット転送が可能になる。

 パケット処理をFPGAにオフロードすることによって、余剰となったCPUコアを、ファイアウォールやロードバランシングなどのアプリケーション処理に振り向けることができる。

 さらに、富士通研究所が開発した、仮想サーバーと仮想スイッチ間のインタフェース変換技術を搭載している。また、同一サーバー内の複数のFPGAを活用して仮想スイッチのポート数を増やす技術を利用している。

 PRIMERGY RX2530 M4pを提供する背景について富士通は、ストレージやネットワークなどの機能をサーバー上で仮想的に実装する手法が一般化していることを挙げる。「特に、ネットワークにおいては、今後の5Gの普及によって急増するトラフィックへの対応や、新サービスへの迅速な対応といった需要がある。ところが、仮想環境下のソフトウェアによるネットワーク制御は処理性能に限界があり、課題となっていた」(同社)。

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