リアルネットワークスは2020年4月2日、AI顔認証ソフトウェアの新版「SAFR 2.0」を発表した。新版では、マスク着用時でも顔を認証できるようにした。開発会社は、米RealNetworks。
SAFRは、顔認証ソフトウェアである(関連記事:ネットワン、RealNetworksの顔認証ソフト「SAFR」を販売、サングラスでも認証可能)。特徴の1つとして、顔認証の精度の高さをうたっている。米RealNetworksは、動画を友人や家族と共有できるコンシューマ向けサービス「RealTimes」を介して、豊富な顔データを持っている。これを利用して、精度の高い顔認証エンジンを開発したとしている。
光の状態が悪い顔画像や、顔の一部が隠れている顔画像、真正面を向いていない顔画像など、実際に現場で顔認証を実施する環境においても、高精度で認証できるとしている。従来版では、目、鼻、口のうち2つが写っていれば認証可能で、サングラスをかけていたり、帽子をかぶっていたりしても認証できる。
今回、新バージョンとして、マスクで口と鼻を覆った顔画像でも認証できるようにした(写真1)。昨今の新型コロナウイルスの感染拡大によってマスク着用時の顔認証が課題となっていることを受け、マスク着用時でも認証できるようにアルゴリズムを改良した。マスク着用時の顔画像を登録することで、セキュリティゲートなどでマスクを外すことなく通過できるようになる。
この他の機能強化点は、以下の通り
- 眼鏡、マスク、サングラスなどを付けているか否かの検知
- 指定方向(左右方向、カメラからの遠近)への移動検知
- 照明が不十分な環境での明るさ補正機能(ベータ版機能)
- NVIDIA GPU使用時にCPUの利用率を最大70%低減
- ビデオフィードのライブモニタリング
- アクティビティリストからイベント・人物を検索
- SMS通知
ソフトウェアは、カメラ映像から検知した顔画像を切り出してサーバーに送信する顔検知ソフトウェア(Linux、Windows、Mac、iOS)と、顔検知ソフトウェアから送られてきた顔画像が誰なのかを判定するサーバーソフト(Windows、Mac、クラウド)で構成する。顔検知ソフトウェアからサーバーへの通信や、サーバーから外部システムへの連携は、REST APIで行う。