[新製品・サービス]
アズジェント、テレワークのセキュリティ確保に向いた仮想マシンソフト「Hysolate」を販売
2020年5月13日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)
アズジェントは2020年5月13日、クライアントPCの上で動作するベアメタル型ハイパーバイザ(仮想マシン基盤)の新製品「Hysolate」を発表した。1台の物理PCの上で、複数台の仮想PCを動作させられる。インターネット接続端末と社内LAN接続端末を分離してセキュリティを確保する、といった用途を見込んでいる。2020年5月18日から販売する。開発会社は、イスラエルのHysolate。
Hysolateは、クライアントPCの上で動作するベアメタル型ハイパーバイザ(仮想マシン基盤)である。1台の物理PCの上で、複数台の仮想PCを動作させられる。インターネット接続端末と社内LAN接続端末を分離してセキュリティを確保する、という用途に適する(図1)。仮想PC上では、Windows(Windows 10、Windows 7)またはLinuxを利用できる。
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例えば、テレワーク用のPCにHysolateを導入すると、社内LAN(クラウド含む)に接続するクリーン環境用のPCと、Webアクセスやメール送受信、Web会議など、インターネット接続による脆弱性が懸念されるダーティ環境用のPCを分離できる。
万が一、外部接続用PCのOSにマルウェアが侵入しても、内部接続用PCのOSとは分離しているため、社内ネットワークへの侵害が起こらない。また、外部接続用PCのOSを定期的に初期化することで、万が一侵害されてもクリーンな状態を保つことができる。
他の仮想化基盤ソフトウェアと比べた特徴の1つは、1つの画面に複数PCの画面を同時に表示して操作できることである(画面1)。さらに、複数PCを連携させて操作できる。例えば、内部接続用PCからインターネットにアクセスしようとした際には、自動的に外部接続用PCのアプリケーションにリダイレクトされる。
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また、1つの画面に複数のPC画面を表示できるが、複数PC間でデータをコピー&ペーストしたり、ファイルをドラッグ&ドロップしたりすることはできない。このため、社内LAN上にある機密情報を外部接続用PCを介して社外に漏洩させるといったインシデント事故を防げる。
Hysolateでは、HysolateをインストールするクライアントPCのポリシーは、管理サーバーで管理できる。個々のクライアントPCごとにアクセスポリシーを個別に設定することもできる。ポリシーは、管理サーバーから定期的に配信する仕組み。このため、オフライン環境でも状態を維持できる。
将来は、ファイル無害化ソフトウェア「Votiro Disarmer」と連携できるようにする(関連記事:アズジェント、ファイル無害化ソフト「VOTIRO」に新版、管理画面をGUI化し統計情報を可視化)。これにより、外部接続用PCのデータを無害化して内部接続用PCに受け渡すといった使い方ができるようにする。
Hysolateの価格(税別)は、オープン。参考価格は、クライアントPC×1台あたり3万7000円(1000ユーザーの場合)から。販売目標は、初年度5億円。