[市場動向]

イトーキ、AIで自動物流倉庫の故障兆候を検知する予知保全システムを開発

インフラにOCIを利用、自動物流機器の保守オプションとして販売

2025年11月6日(木)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)

オフィス家具・物流設備機器メーカーのイトーキ(本社:東京都中央区)が、自動物流倉庫の故障兆候をAIで検知する予知保全システムを開発し、顧客に提供する保守サービスの品質と効率の向上に取り組む。開発したシステムは、同社の自動物流機器ユーザー向けオプション保守サービス「ITOKIアドバンスドメンテナンス」として2026年1月に提供する。2025年11月5日、日本オラクルと共同で開いた発表会に開発プロジェクトのキーパーソンが登壇し、システムの特徴など取り組みを紹介した。

 イトーキは、オフィス家具の製造・販売を主な事業として130年以上の歴史を持つ。「明日の『働く』を、デザインする。」をコーポレートミッションに掲げ、オフィス空間の設計・デザインから、物流施設や公共施設向けの設備機器・空間構築、セキュリティ機器の提供まで、さまざまな領域の「働く場」づくりを支援している(関連記事基幹システム刷新に再度挑むイトーキ、過去の教訓から描いた“あるべき姿”へ)。

 そんなイトーキが先頃、自社製の自動物流倉庫製品の故障兆候をAIで検知する予知保全システムを開発し、顧客に提供する保守サービスの品質と効率の向上に取り組む。開発したシステムは、同社の自動物流機器を自社倉庫に導入している顧客企業が追加で導入可能なオプション保守サービス「ITOKIアドバンスドメンテナンス」として2026年1月の提供を予定している(図1)。

図1:自動物流倉庫の故障の兆候をAIで検知する予知保全システムの概要。同社の自動物流機器ユーザー向けオプション保守サービス「ITOKIアドバンスドメンテナンス」として販売する(出典:イトーキ)
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 同社は、倉庫内でのダンボール箱などの移動作業を支援するシャトル台車式自動倉庫システム「システマストリーマー SAS-R」を販売している。荷物を水平に移動させる機器「ドーリー」、垂直に移動させる機器「リザーバー」、これらの動きを制御するコントローラ「LCU(Local Control Unit)」で構成する(動画1)。


動画1:シャトル台車式自動倉庫システム「システマストリーマー SAS-R」(出典:イトーキ公式YouTubeチャンネル)

 今回、開発したのは、SAS-Rの多種多様な稼働データから、故障の兆候をAIで検出する予知保全システム。SAS-Rにセンサーを装着することで追加導入できる。倉庫に設置したエッジPCが稼働時間、動作回数、動作距離などの稼働データをクラウドに送信し、AIが解析することで部品交換に適したタイミングを通知する。この予兆検知の仕組みによって、故障する前に適切なタイミングでの交換が可能になる。

 日本オラクルがシステムの開発を支援し、稼働データをAIで解析するためのクラウドインフラを提供。IaaSのOracle Cloud Infrastructure(OCI)で動作する「Oracle Autonomous AI Database」と「OCI Data Science」を利用している。OCI Data Scienceは、マシンラーニング(機械学習)モデルの構築、トレーニング、デプロイを一元管理可能なサーバーレスプラットフォームである。

●Next:異常検知モデルを基に倉庫ごとの動作環境の差を吸収

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