[調査・レポート]

テレワークでもRPAを使い続けている企業は31.6%、環境整備が課題―ヒューマンリソシア

RPA端末をリモート操作するための環境やポリシーが未整備

2020年5月13日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

ヒューマンリソシアは2020年5月13日、RPA(ロボットによる業務自動化)を利用している企業を対象に、テレワークにおけるRPAの利用状況についてアンケート調査を実施し、結果を発表した。テレワーク中でもRPAを利用している企業は31.6%にとどまった。社外から社内のRPA端末を利用する環境が整っていないといった理由がある。

 ヒューマンリソシアは、RPAを利用している企業を対象に、テレワーク環境下におけるRPAの利用状況についてアンケート調査を実施した。

 RPAを利用している企業のうち、テレワーク中も「通常通り利用している」と回答した企業は、31.6%にとどまった(図1)。「環境が整い次第利用予定」の14.0%を合わせても半数に満たない結果となった。

図1:RPAを利用している企業のうち、テレワーク中も「通常通り利用している」と回答した企業は、31.6%にとどまった。「環境が整い次第利用予定」の14.0%を合わせても半数に満たない結果となった(出典:ヒューマンリソシア)図1:RPAを利用している企業のうち、テレワーク中も「通常通り利用している」と回答した企業は、31.6%にとどまった。「環境が整い次第利用予定」の14.0%を合わせても半数に満たない結果となった(出典:ヒューマンリソシア)
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 一方で、「環境が整備できず利用していない」が40.4%に上り、「会社のポリシー上利用できない」との回答も11.4%となった。約半数は、環境面、セキュリティ面がネックとなり、テレワークでのRPA利用が制限されていることが分かった。

 環境面では、社外から社内のRPA端末を操作するためのリモートアクセス環境が整備されていないことが考えられる。社内ポリシー面では、リモートアクセスを介したRPA端末の操作が許されていないことが考ええられる。

コロナ状況下でのRPAの障害は「人材育成」や「外部活用」

 テレワークによる、今後RPAを活用していく上での障害・懸念も聞いた。

 58.4%の人が「社外の研修やイベントに参加できず人材の育成ができない」と回答した(図2)。RPA化を進めるために必要な情報が得られにくいことが、RPAを活用していく上での障害になる。

図2:テレワーク環境下でRPAを活用していく上での障害・懸念も聞いた。58.4%の人が「社外の研修やイベントに参加できず人材の育成ができない」と回答した(出典:ヒューマンリソシア)図2:テレワーク環境下でRPAを活用していく上での障害・懸念も聞いた。58.4%の人が「社外の研修やイベントに参加できず人材の育成ができない」と回答した(出典:ヒューマンリソシア)
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 「働き方改革予算、新規IT関連ツール導入などの予算削減」を選択した人も、37.1%に上った。新型コロナの企業活動や業績への影響が長期化する中、予算削減への懸念が大きいことが分かる。

 「社内に外部業者が入れない」を選択した人も、27.0%に上った。外部業者を社内に受け入れることができず、シナリオ開発を外部に代行できなかったり、オンサイト型での研修が実施できなかったりすることで、RPA化プロジェクトの進行に遅れをきたしていることが予想できる。

 自由回答では、「RPA担当者の育成が滞っている」、「テレワークではRPAシナリオ開発のための社内の打ち合わせがスムーズにいかない」、「RPAインストールPCへのリモートアクセスができない」、――といった回答があった。また、テレワーク整備に多忙となるIT部門からは、「プログラムの作成に時間をとれない」といった回答があった。

●Next:テレワークによって業務量が増えるか減るか

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