KDDIは2020年9月14日、サーマルカメラの画像認識技術で建物に入室する人の体表面温度の自動測定や、マスク未着用者の検出などを可能にするシステム「KDDI IoTクラウドStandard サーマルカメラパッケージ」の提供を開始した。エコモットとWDSの協力の下で提供する。
KDDIの「KDDI IoTクラウドStandard サーマルカメラパッケージ」は、画像認識技術を活用し、建物に入室する人の体表面温度を自動測定したり、マスク未着用者を検出して着用を促したりするシステム製品である(図1)。建物の入り口にサーマルカメラを設置し、約0.3秒で人物の体表面温度を測定する。同時に、マスク未着用者を検出して着用を促す。
拡大画像表示
取得する情報は、体温と、マスク着用の有無である。計測した温度や属性情報はクラウド上に保存するため、必要に応じて過去データから感染経路を迅速に調査できる。事業所などでは、事前に人物登録を行い、体表面温度などの情報を紐づけることで、本人の特定もできる。なお、本人であるかどうかの認証は、マスクや帽子の着用で認識率が低下することから、体温を管理するうえでの補助機能として利用することを推奨している。
価格(税別)は、初期費用として契約事務手数料が1契約当たり1万円。月額費用は、機器接続料が1台当たり月額2000円で、サービスID利用料は1ID当たり5000円である。端末料金は、「月額プラン」の場合は1台当たりの月額が2万円で、「購入プラン」の場合は1台当たり29万8000円である。
クラウドへの通信は無線LANを利用する。ルーターの購入や通信モジュールを利用する場合は、別途費用が発生する。クラウド料金の機器接続料には、体温とマスク着用状態のデータをクラウドへ保存する費用が含まれる。認証結果や年齢、性別データの保存を希望する場合や、設置保守が必要な場合は別途費用が発生する。
背景について同社は、多くの企業や店舗で、新型コロナウィルス感染症への対策として、顧客が建物への入場入室をする際に、従業員が非接触体温計活用して体表面温度の測定を行っていることを挙げている。「また、マスク未着用の人へは声かけを行ない、協力を仰いでいる。事業者側には、徹底した感染症対策が求められている」(同社)。