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基幹系と情報系をひとまとめにするDX/AI時代の新機軸、あらゆるデータを一枚岩で高速処理するIRISの真価

2020年9月28日(月)

膨大なデータの中からインサイトを見つけ出し、素早く「次の一手」に活かす巧妙な取り組みが競争力を大きく左右する時代を迎えている。ここで足かせとなっているのがサイロ化の結果、分断している情報システム群だ。そこで期待を集めているのが、データに関わるどんなワークロードにも一枚岩で対応できる「トランスリティカルデータプラットフォーム」だ。そのコンセプトを体現したインターシステムズの「InterSystems IRIS Data Platform」とは──。

データから得たインサイトはすぐに鮮度が落ちる

企業活動にコンピュータが本格的に活用されるようになって半世紀以上が経過した。日本企業も業務の合理化や、その先の増力化を標榜しながら、様々な情報システムを構築してきたのは周知の通りである。

そのシステム群を俯瞰して大別する時、よく使われるのが「基幹系」と「情報系」という区分けだ。取引の実態などを間違いなく記録しながらビジネス遂行上の主要業務を支援するのが基幹系システムであり、そこに蓄えたデータを別の“器”に移し替えて各種の分析などに使うのが情報系システムである。それは、データの追記や更新などを含む全体的な整合性を整えて処理するためのデータベースなど、要素技術の進化(別の意味では、その時々の限界や制約)に合わせて必然的に出来上がった現実解だった。

もっとも、様々なITが同時並行的に凄まじい勢いで進化を遂げている。「これからの時代を支えるシステム像を考えるにあたっては、長く続いた基幹系、情報系という既成概念の呪縛から脱しなければなりません」。こう強調するのは、インターシステムズジャパンの佐藤比呂志氏(ビジネスディベロップメント シニア・マネージャー)だ。

図1 基幹系/情報系という、これまでの常識に固執しない柔軟な考えが求められている
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同社は「トランスリティカルデータプラットフォーム」(詳細は後述)と呼ばれる、まさに次代の経営を支える基盤の領域で存在感を強めている米国発のワールドワイドプレイヤーである。

Web、スマートフォン、IoT…データはそこかしこで今日もまた刻々と発生している。企業の周りにはデータが溢れており、それらをカスタマーエクスペリエンスの向上や新規サービスの創出などのビジネス価値へと巧みに昇華させられる企業にこそ競争力が宿る。巷間言われる「デジタルトランスフォーメーション(DX)」とは、データ駆動型の組織や経営を極めていくことに他ならないのだ。

インターシステムズジャパンでビジネスディベロップメント シニア・マネージャーを務める佐藤比呂志氏

「ここで重要なのは、様々なデータから得られる洞察(インサイト)は、適切なタイミングで使わないと価値が消滅するという危機感や問題意識を持てるかどうかです」と佐藤氏は指摘する。例えば「家具を買いに来たらしい」というインサイトを得た顧客に対して、「併せて清掃用具を勧める」といったアクションは、その場だからこそ通用するもの。買い物を終えて店を出てしまった顧客に声をかけても「時すでに遅し」である。

もちろん、時系列に蓄積した大量のデータを分析することで需要のトレンドを読み、製品ラインナップを拡大するといった戦略的インサイトもあるわけだが、それにしてもタイミングが重要であることは変わらない。「企業はデータおよびその分析から得られる価値を最大化するために、消滅しやすいインサイトに対して即座にアクションを起こすことを徹底しなければなりません」(佐藤氏)。つまり、イベントとインサイトに対してリアルタイムにアクションを起こす能力をさらに高めていくことが、企業の重要テーマなのである。

図2 データから得るインサイトは時間経過と共に価値を失ってしまう
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あらゆる形式のデータを一体運用するプラットフォーム

しかし、これは言葉ほど簡単なことではない。阻害要因の代表格が、幾つものシステムでサイロ化が進み過ぎたデータだ。「不調和なデータや、サイロ間でのゆっくりとしたデータ移動を前提としていた従来のデータアーキテクチャがいよいよ破綻をきたしたのです」と佐藤氏は指摘する。必要なデータを様々なシステム上で作り、都度加工し、1つひとつ繋ぎ合わせるという、スパゲティのように絡まった複雑な仕組みの下でデータ活用や分析が行われているのが実情だが、これでリアルタイム性など追求できるわけがない。

現在の企業の状況をもう少し詳しく見ると、データは「トランザクショナル」「オペレーショナル」「アナリティカル」の大きく3つのプラットフォームに分断されたワークロードとして運用されている。この結果として、さらなるサイロの発生や情報へのアクセス速度の低下といった、数々のユースケースに対応する複数のスタックが出現してしまうのである。

従来からの技術的な継続性やしがらみを捨て、これからの理想像をゼロから描くならどうなるか──。そこに位置付けられるのが、米フォレスターリサーチ社によって提唱された「トランスリティカルデータプラットフォーム」である。オンプレミスやクラウド、さらにはIoTなどのストリーミングまであらゆる形式のデータを一体運用し、トランザクション処理やオペレーションのレポーティング、アナリティクスなど複数の用途で利用することを可能とするデータ基盤の概念だ。

エンタープライズアプリケーションとの統合、妥協なきトランザクション性能、リアルタイム分析やインテリジェントアプリケーション(BI/AI/ML)への対応、限界なきスケーラビリティ(拡張性)、耐障害性(ゼロダウンタイム)、強固なセキュリティ、生産性の高い開発環境、管理タスクの自動化、プラットフォームエコシステムの拡大などが、トランスリティカルであることの要件として挙げられている。

そして、フォレスターリサーチ社から「トランスリティカルデータプラットフォームの強力なパフォーマー」と評価を受けるインターシステムズが提供しているのが、「InterSystems IRIS Data Platform」(以下、IRIS)という統合データ処理基盤だ。

もともとインターシステムズが提供してきたメモリーを最大限有効活用するキーバリュー型のデータベースを基盤に、マルチモデル対応への進化を図ったもので、基幹系システムで扱うリレーショナルデータのほか、オブジェクト型やJSONなどのドキュメント型のデータも格納して一体運用することができるのが大きな特長。誤解を恐れずに言えば、これまで基幹系と情報系、別々に実行せざるを得なかった処理を一つのプラットフォームで完結させるという新機軸を打ち出したのである。

図3 InterSystems IRISの価値
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従来のインメモリーデータベースを凌駕する性能と堅牢性

もちろん、マルチモデル対応であってもパフォーマンスが伴っていなければ使いものにならない。その意味からIRISでまず注目すべきがトランザクション処理性能だ。IRISはメモリーを最大限有効活用するデータベースアーキテクチャを採用することで、単一のレコードトランザクションを1マイクロ秒未満で高速処理することを可能としている。

インメモリ―データベースは一般的に処理性能がよいと言われるが、メモリーにしかデータを持たないことから構造的な弱点がある。プログラムに何らかのトラブルが発生するとメモリー上のデータが消えてしまう場合があり、データをリカバリして処理を再開するまでに多大な時間を費やしてしまうのだ。実はこの弱点を補う堅牢性を併せ持っていることがIRISの特長である。「トランザクション用にジャーナルファイルエントリを作成することにより20マイクロ秒未満で処理を再開するログの永続化や、トランザクションを継続してディスクに書き込む永続化の仕組みがパフォーマンスを支えます」と佐藤氏は説明する。

さらにIRISは分散データベースとしての仕組みも持っており、整合性が保証された分散型の伸縮性のあるキャッシュを内蔵することで、スケーラビリティとパフォーマンス(低レイテンシー)を両立させている。これによりビルトイン型の分析プラットフォームのもとで、例えばインテグレーテッド・マシンラーニングやBI、自然言語処理などを実行することができるという。

なお、インターシステムズでは「多数のクエリーを並行実行しながら同時にデータ投入を行うアプリケーションで、IRISは、よく使われるあるインメモリデータベースシステムより65%多くのレコードを投入できる」という性能ベンチマークテストの結果を公開しており、この結果は第三者機関のESG(Enterprise Strategy Group)による検証からも裏付けられている。こうしたメリットから、IRISはすでに多くの企業で導入され実績を拡大している。

例えば米国のある投資バンクは、1日あたり何十億件ものトランザクションを処理するとともに、複雑なクエリーや分析、レポーティングを担う300以上のアプリケーションを運用する株式のトレーディングおよび注文管理システムにIRISを採用。従来のインメモリーデータベースと比較してスループットを3~5倍向上、データインジェスチョンを10倍向上する一方、運用コストを50%削減するという成果をもたらした。

日本においても日用品、医薬品および化粧品の最大手卸売販売のPALTAC社がインターシステムズのデータプラットフォームを採用。年間30億個の生活必需品を届ける流通プロセス全体の最適化と効率化を図るほか、99.999%の卓越した納品精度を誇るきめ細やかな現場オペレーションや需要予測分析による店舗戦略を力強くサポートしている。

日本企業が今動いているシステムをすべて捨て去り、一気にトランスリティカルデータプラットフォームに移行することは考え難いが、「企業がDXを推進する中で、既存のデータベースをリプレースしたり、新しいシステムを開発する際の新たな選択肢としてIRISを積極的に提案していきます。一度導入してもらえれば、性能や柔軟性、そして使い勝手とどれも自信あり。一社でも多く脱サイロ、脱スパゲティのお手伝いがしたいですね」と佐藤氏は語り、ステップバイステップの変革を後押ししていく考えだ。

関連情報

■ESGテクニカルレビュー:InterSystems IRIS: データ投入とリアルタイムクエリを同時に実行するための高パフォーマンスなデータ管理ソフトウェア 
https://www.intersystems.com/jp/resources/detail/esg-technical-review-intersystems-iris-2/

■Forresterアナリストによるオンデマンドウェビナー: トランスリティカルデータプラットフォーム―デジタルトランスフォーメーション(閲覧には登録が必要です)
https://www.intersystems.com/jp/resources/detail/translytical-data-platforms-the-key-to-successful-digital-transformation-initiatives-webinar-2/


●お問い合せ先

インターシステムズジャパン株式会社
https://www.intersystems.com/jp/

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