キリンビールとキリンビバレッジは2020年11月24日、キリンビール滋賀工場とキリンビバレッジ滋賀工場において、生産データを蓄積・分析するIoT基盤を開発し、2020年11月から試験運用を開始したと発表した。試験運用の後、作業時間の短縮や品質向上に向けたデータ活用などを進め、キリンビール全工場およびキリンビバレッジ全工場への展開を目指す。
キリンビールとキリンビバレッジは、工場内の生産データ、センサーデータ、映像データなどを扱うIoTデータ活用基盤を導入し、試験運用を開始した。IoTデータ活用基盤としてNTTデータの「iQuattro」を使う。さらに、作業工程を見直し、一部手書きで運用していた現場の管理書類を、タブレットを利用してその場でデータを入力して電子保存するようにした。
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IoTデータ活用基盤の試験導入によって、それまで個々の生産設備ごとに確認していた製造状況を、工場内外からリアルタイムで統合的に確認できるようになる(写真1)。工場内の移動時間も削減できる。「改善実行」などの意思決定をリモートで実施できるようになる。
試験運用の後、各工場における製造体制の自動化推進に向けて、必要な判断の数値化、作業時間の短縮、品質向上に向けたデータ活用などを進める。こうして、キリンビール全工場およびキリンビバレッジ全工場への展開を目指す。
同時に、基幹システムとの連携や、AIによる計画業務などの機能拡充を進める。将来的には、自社工場だけでなく、企業間を連携させた工場業務の自動化・高度化を推進する。