第4次産業革命とも言われるデジタル革命が進む中、ITやデジタル技術の専門家だけではなく、一般ビジネスパーソンのデジタルリテラシー向上が必要だ――。こんな考えの下、経済産業省は2020年12月24日、AIやデータサイエンス、クラウド、IoTといったデジタル時代に必要なスキルを無料で学べるオンライン講座の紹介サイト、「巣ごもりDXステップ講座情報ナビ」を開設した。19の団体、事業者による58の講座を紹介している。
AIやデータサイエンスなど58のコンテンツ
企業のデジタル改革は当然、情報システム部門やデジタル化を推進する部門だけが遂行すればいいわけではない。むしろ事業部門がそれらと協力して、もしくは事業部門が主体となって取り組むことが求められる。そのためには、さまざまな事業部門においてもデジタルリテラシーを高め、またデジタル化推進のスキル(デジタルスキル)を有する人材を増やす必要がある。
一方で、コロナ禍に対応した在宅勤務や休業、時短勤務などに伴う通勤時間の削減により、ビジネスパーソンが自己研鑽に使える時間は増えている。CIOやCDO(チーフデジタルオフィサー)からすれば、その時間を利用して事業部門の人たちにもデジタルスキルを身に付けて欲しいところだ。しかし自社でコンテンツを用意していたのでは時間やコストがかかるし、自分で探してもらうとなるとそのための知識や手間がかかってしまう。自己研鑽といっても、そう簡単にはいかないのだ。
そこで経済産業省は、手軽にデジタルリテラシーを高めたり、一定のスキルを学べるようにするポータルサイト、「巣ごもりDXステップ講座情報ナビ」(画面1)を開設した。民間の事業者やIT関連団体がオンラインで提供している講座のうち、基本的に無料で受けられる講座を掲載する。完成度はまだ十分に高いとはいえないが、デジタルスキルを学ぶ機会がなかったビジネスパーソンが最初の一歩を踏み出すハードルは低い。
実際にどんなサイトなのか? 現時点で掲載されているのが、19の企業、団体による58のコンテンツ。AI、データサイエンス、クラウド、IoTといったテクノロジー関連から、プロジェクトマネジメントや経営戦略、企業と法務などマネジメント関連まで幅広い。トップページに講座の一覧があり、AIやデータサイエンス、経営戦略といったカテゴリー、入門/基礎/上級の3段階からなるレベルで検索可能だ(画面2)。
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