NTTデータは2021年1月28日、横浜銀行と開発したオンラインデータ連携基盤を、ほかの金融機関へ提供していくことで合意したと発表した。金融機関同士のアプリケーションの相互利用により、「顧客サービスエコノミー」の構築を目指す考えである。
NTTデータと横浜銀行は、2019年3月にオンラインデータ連携基盤を構築した。同基盤を使って、非対面チャネルでの顧客サービスを中心に、業務アプリケーションを開発している。
同基盤を使うと、外部サービスや銀行システムと容易にAPI連携できる。新しい顧客サービスを迅速に開発できる。横浜銀行は、住所変更の諸届など、すでに約20の顧客サービスで利用している。住所変更業務では、年間8600時間の業務量を削減した。
今回、他行にオンラインデータ連携基盤を提供することにした(図1)。金融機関が同業務アプリケーションを利用することで、サービス拡充やコスト削減を図れる。
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開発済みの共通的なアプリケーション(本人確認機能や資金移動APIなど)を他の業務で活用できる。オンラインデータ連携基盤の上で動作する業務アプリケーションやAPIを開発することによって、銀行のシステム開発を効率化できる。
今後、オンラインデータ連携基盤の上で動作する業務アプリケーションのラインアップを拡大する。金融機関同士が相互利用する経済圏「顧客サービスエコノミー」の構築を目指す。
背景として同社は、金融機関はインターネットやスマートフォンアプリなどの非対面チャネルを活用したサービスを迅速に開発して提供することが求められている状況を挙げている。