TISは2021年2月26日、RPA(ロボットによる業務自動化)で業務全体を自動化するサービス「ハイパーオートメーション実現サービス」を発表した。管理部門の業務や、現場部門の事務系業務などのバックオフィス業務のデジタル化を支援する。人とロボットの連携や業務プロセス全体の可視化できるようにする。価格(税別)は500万円から(製品のライセンス費は含まず、連携製品や適用範囲により変動)。TISは5年間で100社への提供を目指す。
TISの「ハイパーオートメーション実現サービス」は、RPA(ロボットによる業務自動化)で業務全体を自動化するサービスである(図1)。TISが独自に開発した「E2E(エンドツーエンド)自動化テンプレート」と、テンプレートを有効活用するための「E2E自動化テンプレート導入支援」をセットで提供する。「人とロボットのシームレスな連携」や「業務プロセス全体の可視化」を可能にする。
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E2E自動化テンプレートは、ロボットによる自動処理と、人のオペレーションを、シームレスに連携させる。個別のプロセスの遅延を確認したり、ボトルネックの傾向分析に基づいて業務を改善したりできる。業務プロセスの進捗状況の可視化については、要望に応じてレポートのカスタマイズが可能である。
E2E自動化テンプレートの導入支援では、E2E自動化テンプレートを有効活用するための導入支援を行う。E2Eテンプレートの自動化で必須となる業務プロセスの見直し、個別のロボットの無停止化、OCRやAI、チャットボットなどのテクノロジー活用を含め、トータルでハイパーオートメーションの実現を目指す。
同社が想定する課題は以下のとおりである。
- 各作業に人の判断が入るため、自動化の範囲および効果が局所的になっている
- 複数の部門を横断するため、業務プロセス全体の自動化が進まない
- 業務プロセスの進捗や期限管理が属人的になっており、タイムリーな進捗把握ができていない
- 業務プロセスのボトルネックがわからず、業務改善が進まない
- 特例処理が多く、ロボットのエラーにより保守工数が膨らんでいる
- AIやOCRなどの複数の製品を連携させて業務自動化を進めたいが、できていない
TISは、RPAを全社で活用したい企業をトータルでサポートする一連のサービス群「RPA業務自動化ソリューション:UiPath」を提供している。AIやOCR(光学文字認識)、ERP(統合基幹業務システム)など各種のアプリケーションとRPAの連携や、UiPathの新製品群の活用によって、人とITが協働し、高度に自動化された「ハイパーオートメーション」の実現を目指している。今回提供するハイパーオートメーション実現サービスは、「RPA業務自動化ソリューション:UiPath」に追加した新メニューとして提供する。
背景として同社は、少子高齢化に伴う人材不足が進むなかで、RPAを導入する日本企業が年々増加している状況を挙げる。一方で、人の判断が入る業務や部門を横断する業務では、待機や作業遅延を想定したロボットの実装が難しいことから、自動化の適用範囲を限定、もしくは分離するしかなく、業務全体の自動化・効率化にうまく繋がっていないケースがあるという。