IDC Japanは2021年4月12日、国内企業のローコード/ノーコードプラットフォームの利用動向を調査した結果を発表した。435社に導入状況を聞いたところ、導入済みの企業が8.5%、テスト/検証中の企業が12.4%、導入を計画/検討している企業が23.9%だった。同社は2024年までに社員1000人以上の企業において、社員の30%がローコード/ノーコード開発ツールを使ってアプリケーションの開発や業務の自動化を担うようになると予測している。
IDC Japanは、国内企業のローコード/ノーコードプラットフォームの動向を調査した2020年8月に国内企業435社に導入状況を調査し、その結果、ローコード/ノーコード開発ツールを利用している企業が8.5%、テスト/検証中の企業が12.4%、導入を計画/検討している企業が23.9%だった。
IDCは、ローコード/ノーコードプラットフォームを、「ドラッグ&ドロップによるビジュアルモデリングによって、アプリケーションのデザインから開発、テスト、デプロイメント、実行、管理まで、アプリケーションライフサイクル全体の統合環境を提供するソフトウェア製品またはクラウドサービス」と定義している。
ローコード/ノーコード開発ツールを提供している主なベンダーとしてIDCは、OutSystems、Amazon Web Services(AWS)、NTTデータ イントラマート、Claris、グーグル、サイボウズ、ServiceNow、セールスフォース・ドットコム、マイクロソフトを挙げている。
調査によると、ローコード/ノーコードを導入している企業の45.1%は、導入理由として開発スピードの向上を挙げている(図1)。IDCはその背景を、「デジタルトランスフォーメーション(DX)を推し進めている業務部門が、これまで以上に速いスピードでアプリケーションとシステムの開発や変更、拡張を要求している」と説明している。
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IDCは、ローコード/ノーコード開発のメリットとして、開発工程の中で最も時間のかかるコーディングを減らせることや、自社エンジニアによって開発を内製化し、低コストでよりスピーディーな開発を実現できることを挙げて、次のように述べている。
「コーディングやデータモデル作成、UI設計などのアプリケーション開発スキルが低い、あるいはほとんどない人材でもアプリケーションを開発できる。例えば、総務担当者が申請手続きのアプリケーションを作るといった具合である」
同社は、2024年までに社員1000人以上の企業において、社員の30%がローコード/ノーコード開発ツールを使ってアプリケーションの開発や業務の自動化を担うようになると予測している。
今回の調査結果は、IDC Japanが発行した「2021年 国内ローコード/ノーコードプラットフォーム市場動向:開発の民主化に向けて動き出した国内市場」で詳細を報告している。