NECは2021年6月14日、ローコード開発プラットフォーム「Mendix」を販売すると発表した。ソフトウェアライセンスを販売するとともに、Mendixを使ったシステム構築サービスも提供する。Mendixは、独Siemensが2018年に買収した米Mendixが開発した製品で、NECは日本法人のシーメンスとMendixの販売契約を締結している。販売目標として3年間で100システムを掲げる。
NECの「Mendix」は、最小限のコーディングで業務システムを開発するためのローコード開発プラットフォームである。コーディングのスキルを持たない現場のエンドユーザーが、みずから業務システムを開発できる(画面1)。
開発元は独Siemens(日本法人:シーメンス)が2018年に買収した米Mendixで、NECはシーメンスとMendixの販売契約を結んでいる。NECはMendixについて、全世界で1000社超(25業種)、23万5000システムへの導入実績があると紹介。Mexdixを使わない場合と比べて工数が70%減り、開発速度が10倍になるとしている。
NECは今回、Mendixのライセンスを販売するとともに、Mendixを用いたシステム構築サービスを提供する。同社は従来、統合開発環境「SystemDirector Enterprise」を2500以上のプロジェクトに展開し、システム構築支援に取り組んできた。アジャイル開発についても、コンサルティング、導入支援、教育などの取り組みを進めている。今回、こうした取り組みに、新たにMendixを追加する。
NECは、Mendixで利用するテンプレートなども事前に用意した。企業や官公庁など、各業種に向けて開発した画面テンプレートやデータモデル、データ連携を簡素化するデータ連携コネクタなど、様々なAPI部品群を事前に用意した。
例えば、官公庁向けでは、高齢者を含めた全国民に配慮したデザインや操作性を実現する部品、政府のシステムが求めるセキュリティに準拠した部品などを提供する。こうした部品群により、画面デザインの変更や機能拡張などを日常的に行えるようになるとしている。
NECはMendixの国内価格(税別、システム構築費用などは別途必要で個別見積もり)の例を紹介している。シーメンスが運営するパブリッククラウド上でエンドユーザーがアプリケーションのプロトタイプを検証する場合、年額で約160万円。シーメンスのパブリッククラウド上で、社員100人、取引先5000人が利用するポータルサービスを運用する場合、年額で約700万円。ユーザーが運営するクラウド上で5万人が利用する会員制サービスを運用する場合、年額で約2500万円となっている。