NonEntropy Japanは2021年7月6日、説明会を開き、IPFSを用いたストレージサービス事業の取り組みについて説明した。クラウドストレージのようなGUIで簡単にIPFSストレージを利用できる「IPFS SOUKO」は、2021年4月後半にベータ版をリリースした。IPFS SOUKOの下位サービス基盤で、HTTPのAPIを介してIPFSストレージにアクセスできるゲートウェイ「IPFS gateway」については、現在は社内利用に閉じているが、今後はサービスとして提供する予定である。
NonEntropy Japanは、P2P型の分散ファイルシステム「IPFS」(Interplanetary File System)を用いたストレージサービスベンダーである。IPFSのストレージプール「NonEntropy Pool」を提供するとともに、HTTPを介して簡単にIPFSを利用できるゲートウェイ「IPFS gateway」と、エンドユーザーでも簡単に使えるファイルストレージアプリケーション「IPFS SOUKO」を用意している。
前提となるIPFSは、ファイルのハッシュ値を指定することによってファイルにアクセスできるファイルシステムである。HTTP(URLの指定)によるファイルのダウンロードを補完または置き換える仕組みとして注目を集めている。
IPFSは、P2P型の分散ファイルシステムであり、ファイルはP2Pネットワークに参加するストレージノードに分散して保存する(図1)。ストレージの提供者に向けたインセンティブとして、ファイル格納やファイル転送時に専用の仮想通貨「Filecoin」が得られる。
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NonEntropy Japanは、IPFS/FilecoinのP2Pネットワークに、自社のストレージリソース「NonEntropy Pool」を接続している。国内ノードのストレージ容量は55.31PiBである。ストレージ事業として、ストレージを利用するユーザー向けのサービスを用意するほか、データセンターやストレージをNonEntropy Poolに提供する事業者向けの契約メニューを用意する(図2)。
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ストレージを利用するユーザー向けのサービスの1つが、APIゲートウェイのIPFS gatewayである。IPFSストレージに対するファイルアクセスをHTTPに置き換える。アプリケーション開発者やエンジニアなどは、HTTPを介して比較的容易にIPFSにアクセスできるようになる。
ストレージを利用するユーザー向けのサービスの1つが、エンドユーザー向けのクラウドストレージサービスとして提供するIPFS SOUKOである(図3)。IPFS gatewayを利用してIPFSにアクセスするアプリケーションの1つであり、一般的なクラウドストレージサービスと同様のGUIでフォルダやファイルにアクセスできる。
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