[事例ニュース]
ミツワ電機、新基幹システムの問い合わせ対応にチャットボットを導入、4カ月で1207時間を削減
2021年7月27日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)
ミツワ電機(本社:東京都中央区)は、AIチャットボット「WisTalk」、RPA「ロボオペレータ」、EAI「ASTERIA Warp」を導入した。AIチャットボットは、基幹システムや人事部・総務部の問い合わせ対応に活用し、4カ月で1207時間を削減した。RPAは、管理業務を中心に50業務を自動化し、月400時間を削減した。パナソニック インフォメーションシステムズ(パナソニックIS)が2021年7月27日に発表した。
ミツワ電機は、2021年8月に基幹システムを刷新する。これを受けて、新基幹システムに関連する業務の自動化や、新基幹システムに対する問い合わせ対応の自動化を狙い、AIチャットボット、RPAソフトウェア、EAIソフトウェアの3つのミドルウェアを導入した。
チャットボットで問い合わせの自己解決率が91.3%に
AIチャットボット「WisTalk」(パナソニック ソリューションテクノロジー製)は、新基幹システムや人事部・総務部の問い合わせ対応を自動化する目的で導入した。2020年9月から人事部・総務部のQ&Aツールとして利用を始め、2021年3月からはテスト稼働した新基幹システムのQ&Aツールとしても利用が始めた。
従来の問い合わせ対応は、メールや電話で行われていた。WisTalkを導入することで、エンドユーザーの自己解決を促すことができた。2021年3月から4カ月間の自己解決件数は1万4478件で、問い合わせ総数に占める自己解決率は91.3%にのぼった。1207時間の業務時間を削減できた計算になる(図1)。
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RPAで人の作業時間を月に400時間削減
RPAソフトウェア「ロボオペレータ」(アシリレラ製)は、各部門の業務自動化や、新基幹システムとエミュレータを連携させる手段として導入した。2019年7月からRPAロボットの作成を開始した。
2021年7月現在、銀行からの入金通知の取得や見積書の作成など、管理業務を中心に50業務をRPAで自動化している。ロボットの中には、画面端末エミュレータを介した新基幹システムの操作を自動化するものも含まれており、ロボオペレータの画面認識機能を利用して構築した。
RPAロボットは月にのべ8000分間稼働しており、人間の処理時間に換算すると月400時間(2万4000分)を削減できている(図2)。RPAロボットの開発と運用は、担当者2人で行っている。今後も、適用業務の拡大と、作成済みロボットの全社展開を進めていく。
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システム連携やEDIにASTERIA Warpを継続して採用
EAIソフトウェア「ASTERIA Warp」(アステリア製)は、新基幹システムと周辺システムの連携、ファクス送信、EDI連携の基盤として導入した。これまでも旧基幹システムと周辺システムとの連携に利用していたが、これを新基幹システムと周辺システムとの連携にも採用した。
仕入先への納期と在庫の確認、ファクスによる見積と発注の依頼、取引先24社とのEDI連携、新基幹システムと経費精算システムなどとの連携、といった部分をASTERIA Warpで構築した(図3)。利用している経費精算システム「TeamSpirit」は、Salesforce.comのクラウド基盤で稼働しているため、パナソニックISが開発する「ASTERIA Warp Salesforceアダプター」を組み合わせて開発が効率化した。
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