[市場動向]

日立と東大生研、省電力データベース技術を共同開発、同一電力で従来比200倍超の分析処理を実行

2021年9月2日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

日立製作所と東京大学生産技術研究所は2021年9月2日、省電力データベース技術を共同開発したと発表した。アクセスしていないストレージ領域の電源をオフにすることで、同一消費電力で従来比200倍超のデータ分析処理を実現した。

 日立製作所と東京大学生産技術研究所は、データベースの電力消費を低く抑える技術を共同で開発した。アクセスしていないストレージ領域の電源をオフにする電源管理機構を開発し、今回、一から開発したデータベースエンジンに実装した。

 商用利用を想定した実証実験では、一般的に利用されている従来型のデータベースエンジンと比較して、同一消費電力で従来比200倍超のデータ分析処理を確認した。鉱山露天掘り機器の稼働状況を管理するIoTシステムを模した実験であり、鉱石を積み込むトラックに設置したセンサーから2週間分の積載量データを取得してデータ分析処理のエネルギー効率を評価した。

ストレージの電源オンオフ制御で消費電力を抑制

 研究開発の成果の1つは、アクセスしていないストレージ領域の電源をオフにする電源管理機構である。必要な際に遅延なくデータにアクセスでき、かつ、省エネルギー効果を最大化する電源オン/オフ管理を実現する。このために必要な精密モデルと、これを基にした電源管理機構を開発し、データベースエンジンに適用した。

 また、超精密モデルを基に、省エネルギー化の観点から最適なハードウェアの電源制御を定義し、データへの問い合わせ実行中に最適なデーターベースアクセスを判断する動的問合せ最適化方式を確立した。

 なお、今回の共同研究は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が2016年度から2027年度にかけて展開している「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発」において、「先進IoT サービスを実現する革新的超省エネルギー型ビッグデータ基盤の研究開発」として助成を受けたものである。

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