クライムは2021年9月13日、データバックアップソフトウェアの新版「N2WS Backup & Recovery Ver4.0」(開発元:米N2WS)の提供を開始した。Amazon Web Services(AWS)環境のサーバーやデータをバックアップする。新版では、AWSに加えてMicrosoft Azureの仮想サーバーのバックアップ/リカバリが行えるようになった。価格(税別)は年額48万円から。
クライムの「N2WS Backup & Recovery」は、クラウド環境の仮想サーバーやデータをバックアップするソフトウェアである。AWSが標準で備えるスナップショット機能を活用したバックアップの処理を、Web画面で簡単に設定して実行できる。バックアップ、リカバリ、災害対策などを一元管理する(関連記事:クライム、AWS環境向けバックアップ製品に新版、Amazon S3 Glacierにアーカイブ可能に)。
スナップショット機能を用いて、サーバーやデータのバックアップとリカバリを自動化できる。ファイルの一部が変更された場合、変更されたディスクブロックのみを増分でバックアップする。また、データベースの運用を止めることなく、整合性を保ったままオンラインでバックアップでき、バックアップのスケジュールも設定できる。
リカバリ時は、サーバー/インスタンス全体、特定のボリューム、個々のファイルなど、任意の粒度で、数秒でリカバリできるとしている。インスタンス全体を他のAWSリージョンまたは他のAWSアカウント(すべてのデータや設定を含む)に復旧し、数秒で実稼働状態に戻せる、としている。
AWS/Azure両環境のバックアップ/リカバリが可能に
新版では、AWS環境に加えて、Microsoft Azureの仮想サーバーやストレージもバックアップ/リカバリも可能になった。単一のダッシュボードでAWSとAzureの両方を一括管理し、両クラウドのリソースを切り替えて監視・管理できる(画面1)。
AWS環境のバックアップ機能も強化した。RDSスナップショットをAmazon S3にアーカイブ保存できるようにした。スナップショット数の上限の制限がなくなるほか、長期保存のコストを心配せずに済むとしている。まずはMySQL RDSスナップショットの保存に対応し、今後他のデータベースエンジンのRDSスナップショットも保存できるようにする予定だ。
また、サーバーレス型のデータベース機能であるAmazon Aurora Serverlessをバックアップターゲットに指定できるようにした。
加えて、Amazon EC2上で動作するWindowsサーバーに対するバックアップ管理機能の強化も図っている。Windowsアプリケーションを整合性を保ったままバックアップする手段として、AWSが容易している管理エージェントソフト「AWS SSMエージェント」を利用できるようになった。これに対して、これまで提供してきたN2WSのエージェントソフト(Thin Backup Agent)を使う場合、スクリプトなどを用いてアプリケーションを静止化する必要があった。