オープンレガシー ジャパンは2021年10月18日、レガシーシステム接続API生成ツール「OpenLegacy HUB」の提供を開始した。オープン系システムからメインフレームなどのレガシーシステムにアクセスするためのWeb APIをノーコード/ローコードで生成する。レガシーシステムのデータや機能にアクセスするための各種コネクタを、Java/C#/Node.jsなど各言語でWeb API化することで、レガシーシステムのデータや機能にアクセスできるようになる。価格(税別)は、10個までのAPI生成で年額720万円から。販売目標として3年間で50社を掲げる。
オープンレガシー ジャパンの「OpenLegacy HUB」は、メインフレームなどのレガシーシステムにアクセスするためのWeb APIを、ノーコード/ローコードで生成する開発ツールである。同社は、2013年にイスラエルで設立され、現在は米国ニュージャージー州に本社を置くソフトウェアベンダー、米オープンレガシー(OpenLegacy)の日本法人である。
OpenLegacy HUBの利用により、ユーザー企業は、レガシーシステムのデータや機能にアクセスするオープン系システムを短期に開発できるようになる。オープンレガシー ジャパンによると、海外ユーザーのPoCで、APIの開発時間が1296時間から2時間へと99%の短縮を図った例もあるという。生成するWeb APIを使うと、データや機能にアクセスする際の性能も向上するとしている(図1)。
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オープン系システムからアクセスする際のインタフェースとなるWeb APIは、複数の言語を使ってマイクロサービス(単機能のWebサービス)として生成する。マイクロサービスを動作させる環境に応じて、Java、C#、Node.jsのいずれかの言語で生成。こうして生成したWeb APIを、任意の言語から呼び出して利用する。
レガシーシステムのデータや機能に接続するためのコネクタを各種用意している。IBMメインフレームのIMS、CICS、VSAMファイル、MQプロトコル、SOAPのWebサービス、3270/5250端末エミュレータの入出力、他社製サーバー、Micro Focus COBOL、各種データベース管理システム、Oracle Databaseのストアドプロシージャ、SAP R/3やSAP ERP 6.0などに接続できる。
レガシーシステムへの入出力については、例えばCOBOLやPL/IのコピーブックをOpenLegacy HUBに抽出し、ここから読み取れるデータ定義情報や口座照会などのトランザクション情報を利用して、再利用可能な部品を生成する。開発画面上で、レガシーシステムの入出力とオープン側APIの定義をマッピングすることで、オープン側のAPIをローコードで生成できる。レガシーシステムに対してはCOBOLやPL/Iでアクセスするので、レガシー側のプログラムには手を加えずに運用が行える(画面1)。
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ユースケースの1つとしてオープンレガシー ジャパンが挙げるのが、銀行のFinTechである。オープン系システムからWeb APIを介してレガシーシステム(勘定系システム)を利用できるようにする。こうした仕組みを短期に開発できるツールとしてOpenLegacy HUBを位置づける。
ユーザー事例の1社が、島根銀行(本店:島根県松江市)である。2021年6月にモバイルアプリ「しまぎんアプリ」に実装した参照系APIを皮切りに、順次APIの利用を開始している。現在では、普通預金以外の商品に対しても、参照系APIと更新系APIを複数用意した。作成したAPIは18個に及ぶ。同行は、これらのAPIを今後のサービス提供に利用するとしている。
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