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丸紅が基幹システムの刷新に着手、SAP S/4HANAとGRANDITを段階的に導入

2021年11月9日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

丸紅は、基幹業務システムを2027年12月まで段階的に刷新する。SAP ECC 6.0による現状の基幹システムを3つの領域に分け、それぞれを「GRANDIT」と「SAP S/4HANA」で再構築する。GRANDITは10営業本部21事業会社に導入する。開発は2020年10月1日に開始しており、2023年8月に2本部2事業会社にリリース、その後、残りの本部・事業会社に順次展開する。GRANDITコンソーシアムの1社である日商エレクトロニクスが2021年11月9日に発表した。

 丸紅の現状の基幹業務システムは、SAP ERP Central Component(SAP ECC)6.0で稼働しており、保守更新の時期を迎えている。今回、これを再構築するプロジェクトが始動した(関連記事「SAP2027年問題」の記事一覧)。

 新たに構築する新基幹システムは、現行基幹システムのスコープを3つの領域(単体会計領域、海外領域、国内営業および事業会社会計領域)に分け、それぞれのスコープに適したERPパッケージで複数のシステムを構築する(図1)。

図1:丸紅が構築する新基幹システムの概要。SAP S/4HANAとGRANDITで3つのシステムを構築する(出典:日商エレクトロニクス)図1:丸紅が構築する新基幹システムの概要。SAP S/4HANAとGRANDITで3つのシステムを構築する(出典:日商エレクトロニクス)
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 3つの業務領域について、単体会計領域はデータボリュームが大きいため処理性能と安定稼働を重視、海外領域は各国法制度対応を重視。両領域にS/4HANAを導入する。国内営業および事業会社会計領域は、商社業務への適合性が高い国産ERPとしてGRANDITを導入する。

 GRANDITの導入にあたっては、アドオン開発を大幅に削減することで、コスト削減とシステムの複雑化の解消を図る方針を打ち出している。また、GRANDITを導入する営業本部・事業会社の対象を拡大することによって、一層のコスト削減を図る見通しとしている。

 導入プロジェクトでは、開発リスクや投資リソースを分散するため、2027年12月まで段階的に開発・リリースする計画である。

 プロジェクトでは、比較的アドオン機能の少ない2営業本部および事業会社2社に導入するGRANDITを、丸紅標準システム「丸紅版GRANDIT」と位置づける。丸紅版GRANDITには丸紅独自の要件を組み込んでいるため、要件定義や開発工数を減らせる。これにより、1社あたり最短数カ月で導入が完了する見通しという。

 丸紅版GRANDITは、2020年10月から開発を開始しており、2023年8月に2営業本部および事業会社2社にリリースする計画である。その後、残りの8営業本部19事業会社に順次展開する。

 丸紅がGRANDITを採用した理由は3つ。商社業務への適合性が高く、総合商社のグループ会社や専門商社での導入実績が豊富であること。ワークフロー、BI(ビジネスインテリジェンス)、ECなどの機能を標準で装備していること。GRANDITコンソーシアムによる共同開発のためパッケージ機能仕様などの情報が開示されていることである。

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