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OKI、「外観異常判定システム」を強化、Google Cloudを組み合わせてAIモデルを自動生成

2021年11月18日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

沖電気工業(OKI)は2021年11月15日、「外観異常判定システム」を強化すると発表した。外観異常判定システムは、カメラ映像をAIで解析することによって、製造現場の検査工程を省力化・自動化するシステムである。今回の機能強化では、Google Cloudのサービス「Visual Inspection AI」と組み合わせることによって、AIモデルを自動で生成できるようにする。同機能は、2022年3月から提供する。

 沖電気工業(OKI)の「外観異常判定システム」は、製造現場における目視による検査工程を、AIを用いた画像認識によって省力化・自動化するシステムである。カメラで撮影した部品・製品の映像を解析し、製品の外観異常をリアルタイムに判定、即座に結果を通知する(関連記事OKI、製造現場の検査工程をAI画像認識で省力化するシステム「外観異常判定システム」を販売)。

 カメラで撮影した高精細映像を、OKIのエッジコンピュータ「AE2100」で解析する。判定結果を含む検査画像、製品情報などの証跡データは、上位に位置する管理サーバーに蓄積し、品質管理や分析に活用できる(関連記事OKI、ディープラーニング推論用エッジコンピュータ「AE2100」、Movidius VPUを搭載)。

 外観異常判定システムの効果として、同社の本庄工場(埼玉県本庄市)での実証実験では、組立工程における作業ミスの見逃しがゼロになり、製造工程全体の作業時間を15%削減できた。「しかし、キズやへこみなど、変動する不良の程度に対応するためには、専門のAI技術者による各種パラメータの組み合わせや、AI判定モデルのチューニングなど、生成した学習モデルの精度を高めるための作業を定期的に行う必要があった」(同社)という。

 今回OKIは、AIモデルをメンテナンスする作業の負荷を軽減する仕組みとして、Google Cloudの「Visual Inspection AI」と「AutoML」を用いた、AI判定モデルの自動作成機能を追加した。

 モデルの生成を自動化することで、AIの専門知識がなくてもモデルを生成できるようになる。運用中に未知の異常を検出した場合は、運用者が当該画像をユーザー画面に取り込み、各画像の不良箇所にマーキングをしてラベル付けを行うだけで、自動的に学習モデルを生成できる。AI技術者がいない現場においても、高い判別精度を維持できる(図1)。

図1:外観異常判定システムの概要(出典:沖電気工業)図1:外観異常判定システムの概要(出典:沖電気工業)
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 OKIは、機能強化した外観異常判定システムを、2022年5月にスマート工場として稼働を開始する本庄地区の新工場にも導入する。

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