NECと日本IBMは2022年1月18日、ローカル5Gを活用した新たなインフラ保全サービスの開発に向けて協業すると発表した。両社が持つITとOT(制御・運用技術)の技術・ノウハウを融合する。最初の取り組みとして、同年1月から、NECの玉川事業場(神奈川県川崎市)にある「ローカル5Gラボ」に両社の技術を組み合わせた共創環境を構築し、垂直統合型サービスを共同で検討する。
NECと日本IBMは、ローカル5Gを活用した新たなインフラ保全サービスの開発に向けて協業する。両社が持つITとOT(制御・運用技術)の技術・ノウハウを融合する。最初の取り組みとして2022年1月から、NECの玉川事業場にある共創施設「ローカル5Gラボ」に共創環境を構築し、垂直統合型サービスを共同で検討する(図1)。
協業にあたっての問題意識として両社は、日本国内のインフラ設備は高度経済成長期に集中整備された経緯から、今後急速に老朽化することを挙げ、次のように説明する。
「ライフラインやサプライチェーンの停止といった社会への甚大な影響が及ぶ前に、老朽化した設備に対しての予防保全が重要になる。一方、インフラ保全市場には、保全業務にあたる労働力不足や熟練作業者の高齢化、高所・狭所作業の安全確保といった課題があり、保全業務の効率化・自動化が求められている」(両社)
両社は、これらの課題に対応するため、日本IBMが持つインフラ保全に関する業務システムやデータ分析技術と、NECが持つネットワーク/AI技術を組み合わせた、新たなインフラ保全サービスの開発を進める。
今後、ドローンなどのロボティクス技術とローカル5Gを活用した新たなサービス開発を視野に入れ、化学プラントや製鉄所などのインフラ保全業務の効率化・自動化の実現を目指す。これにより、適時・適切で安全な予防保全を可能にする。