建設コンサルタントの日本工営(本社:東京都千代田区)と、量子コンピュータをクラウド型で提供している活用できるグルーヴノーツ(本社:福岡県福岡市)は2022年2月28日、除雪車の最適ルートなど除雪作業を効率化する解決策を量子アニーリングで導き出す活動で協業したと発表した。将来的には、除雪以外のインフラ分野にも応用する。
日本工営とグルーヴノーツは、除雪車の最適ルートなど除雪作業を効率化する解決策を量子アニーリングで導き出す活動で協業した(写真1)。2022年2月から、GPSデータなどに基づく除雪車の稼働実績、作業員や除雪業者の作業実績、除雪機械の性能、道路の状況、気象条件などのデータを分析し、除雪作業に影響を与える要素を特定する。この結果を基に、データ解析技術やAI、量子アニーリングなどを活用できるかどうかを検討する。
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除雪作業の効率化につながる解決策として、作業効率が高い作業区間、最適な作業スケジュール、最適なルート、効果的な基地配置、などを導き出す(図1)。
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検討にあたっては、日本工営のインフラ管理やデータ分析に関する知見と、グルーヴノーツのクラウドサービス「MAGELLAN BLOCKS」を利用する(関連記事:グルーヴノーツ、組み合わせ最適化問題を解くクラウドサービスを強化、イジングマシンを拡充)。量子アニーリングマシンなど、組み合わせ最適化問題を高速に解くイジングマシンをSaaSで提供する。
「国内の豪雪地帯では、地域住民の生活維持のために冬季の除雪作業が不可欠である。ところが、除雪作業員の高齢化や熟練作業員の減少、地方自治体の財政状況の悪化、気候変動による記録的な降雪の増加などの要因によって、多くの自治体において持続可能な除雪体制の維持が課題になっている。この一方、作業員の熟練度や沿道環境、除雪車の能力や台数の制約など複雑な条件によって、除雪作業は最適解の探索が難しいという課題があった」(日本工営、グルーヴノーツ)