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グルーヴノーツ、組み合わせ最適化問題を解くクラウドサービスを強化、イジングマシンを拡充
2020年9月25日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)
組み合わせ最適化問題を高速に解くクラウドサービス「MAGELLAN BLOCKS」を提供するグルーヴノーツは2020年9月25日、同問題を解く手段を拡充し、東芝デジタルソリューションズ(TDSL)のソフトウェア「シミュレーテッド分岐マシン(Simulated Bifurcation Machine)」(SBM)に対応したと発表した。
グルーヴノーツの「MAGELLAN BLOCKS」は、組み合わせ最適化問題を高速に解くクラウドサービスである。元々は、AIを活用してビジネスの需要を予測するクラウドサービスとしてスタートし、その後、供給の最適化の用途に向けて、量子アニーリングマシン(カナダD-Wave Systems製の「D-Wave 2000Q」)をクラウドで使えるようにした。
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今回、組み合わせ最適化問題を高速に解く手段を拡充し、東芝デジタルソリューションズのソフトウェア「シミュレーテッド分岐マシン」(SBM)を使えるようにした。SBMも、量子コンピュータから着想を得て組み合わせ最適化問題を高速に解くイジングマシンの1つである。MAGELLAN BLOCKSでイジングモデルを生成し、SBMと連携することで、最適解を導出できる(図1)。
東芝デジタルソリューションズは元々、社内利用に限定したバージョンのSBMを、AWS Marketplaceで無料で公開していた。2020年9月25日に、社内利用の制限を廃して外部向けサービスでも利用できるようにしたバージョンを、パートナー企業に向けて有料サービスとして提供開始した。これを今回、グルーヴノーツが採用した形である。
SBMの有料版で提供するイジングソルバー(制約なし2次形式2値変数最適化問題を解くためのソルバー)は、最大10万変数のイジング問題を解く。無料版と比べて約10倍の規模の問題を取り扱える。また、イジングソルバーに加えて、用途に特化したソルバー(巡回セールスマン問題向けソルバー、2次割当問題向けソルバー、勤務シフト最適化向けシフトソルバーを含む)を同時に提供する。