マクニカは2022年4月5日、作業ミス自動判定ツール「Pathfinder(パスファインダー)」(開発元:米Retrocausal)を国内で販売すると発表した。製造現場の映像からAIでヒューマンエラーを判定する。
「Pathfinder」は、米Retrocausalが開発した、製造現場の映像からAIでヒューマンエラー(作業ミス)を判定するソフトウェアツールである。製造工程における作業者の動きを分析するAIモデルを使って、メーカーの組立ラインで行われる作業をリアルタイムに分析する。ミスが発生した場合は、音声と視覚によるアラートを提供し、作業者が次の工程の前に、正しく組み立てを完了できるように支援する(画面1)。
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例として、デスクトップPCの組み立て工程を挙げる。CPU、ファン、メモリーなどを順に取り付けていく。ここで、ファンの取り付け作業の最後に電源ケーブルを接続し忘れたまま、次のメモリー取り付けを始めようとすると、これを自動的に検知してアラートを出す。
発生したヒューマンエラーをその場で指摘することで、直ちに作業を修正できる。これにより、作業ミスを反映した製品が市場に流出することを防ぐ。さらに、作業者の習熟度が向上することで、将来的なヒューマンエラーの改善につながる。
開発元の米Retrocausalは、2019年から製造業に特化し、作業ミスを反映した製品が市場に流出する事故を未然に防いできた。この知見をPathfinderのAIアルゴリズムに反映した。ユーザーは同ツールを使うことで、現場の改善に取り組める体制を構築できるとしている。
マクニカはPathfinderの国内販売にあたって次のようにコメントしている。「製品の生産過程においてロボットやセンサーが活用され始めている中、組み立て工程においては人による手作業がいまだに必要になっている。多くの工場では、ヒューマンエラーによる不良品の流出を防ぐため、必要以上に綿密な出荷前検査が行われているのが実情。製造現場の負荷を軽減し、品質と効率性を高めるためには、作業中にリアルタイムでヒューマンエラーを検知する仕組みが必要である」。