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富士通、富岳ベースの商用スパコンをクラウド型で提供する「Fujitsu クラウドサービス HPC」

2022年4月6日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

富士通は2022年4月6日、クラウド型スーパーコンピュータ「Fujitsu クラウドサービス HPC」の販売を開始した。「富岳」の技術を活用した商用スーパーコンピュータ「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX1000」を、クラウド型で提供するサービスである。利用料金は、コンピュートノードにストレージやデータ通信料を含めて、必要最小限の構成で月額10万円程度。なお、富士通はコンピューティング技術の商用利用をクラウドサービス化によって促進する取り組みに注力している。量子着想技術を活用した「デジタルアニーラ」もクラウドサービスとして提供する。

 Fujitsu クラウドサービス HPC(図1)は、「富岳」の技術を活用した商用スーパーコンピュータ「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX1000」を、クラウド型で提供するサービスである(関連記事富士通、京後継「富岳」ベースの商用スパコン「PRIMEHPC FX1000」「同FX700」を販売)。クラウドサービスであるため、初期投資が不要で、必要な時に必要なだけ計算能力を利用できる。利用開始までのリードタイムも短縮可能である。

図1:富岳ベースの商用スパコンをクラウド型で提供する「Fujitsu クラウドサービス HPC」の概要(出典:富士通)図1:富岳ベースの商用スパコンをクラウド型で提供する「Fujitsu クラウドサービス HPC」の概要(出典:富士通)
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 PRIMEHPC FX1000(コンピューティング資源)の利用料金は、利用するノード数によって、月額5万円、月額50万円、月額100万円といったメニューを用意している。これに、ストレージ利用料、データ通信にともなう利用料が別途かかる。これらを合わせて、必要最小限の構成で月額10万円程度からの料金でスパコンを利用可能である。クラウドサービス用に用意したPRIMEHPC FX1000の台数などのシステム規模は非公開だが、ユーザーが必要とするリソースを用意する。

 「富岳」と互換性がある。「富岳」と共通のCPU、ジョブスケジューラ、ファイルシステム、コンパイラ、アプリケーションソフトウェア、APIを利用できる。ユーザーが将来的に「富岳」を活用した大規模な解析や研究を見据えている場合は、同じ操作性で「富岳」を利用可能である。

 運用サポートも提供する。技術者の確保や育成が困難であるという課題に対し、システムの性能を最大化するためのチューニングを支援する。ビジネス上の課題に対してスパコンをどのように活用すればよいのか分からないという課題に対しても、ユーザーの事業計画と連動したスパコンの活用計画の策定を支援する。

 なお、富士通は、スパコンなどのコンピューティング技術の商用利用をクラウドサービス化によって促進する取り組みに注力している。「富岳」や量子着想技術を活用した「デジタルアニーラ」、さらにAIなどのソフトウェア技術をクラウド型で提供するサービス群を「Fujitsu Computing as a Service」(CaaS)として新たに体系化し、2022年10月から提供する(関連記事富士通、組み合わせ最適化を解くデジタルアニーラを8192ビットに拡張、オンプレ設置も可能に)。CaaSの先行事例として、製造業向けの設計最適化や、創薬効率化などの実証実験を予定している。

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