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[市場動向]

KDDI、CO2排出量実質ゼロを2030年度へ前倒し、3G停波、設備共有、省エネ技術などで実現

データセンターは2026年度にCO2排出量実質ゼロへ

2022年4月7日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

KDDIは2022年4月7日、2030年度までにCO2排出量実質ゼロを目指すと発表した。2020年5月時点では2050年度までにCO2排出量実質ゼロを目指すと宣言していたが、これを20年前倒す。3G停波、設備共有、省エネ技術導入など、各種要因の積み重ねによって実現する。また、KDDIグループがTELEHOUSEブランドで展開している全世界のデータセンターにおいては、2026年度までにCO2排出量実質ゼロ実現を目指す。

 KDDIは、2030年度までにCO2排出量実質ゼロを目指す。2020年5月時点では「2050年度までに排出量実質ゼロを目指す」と宣言していたが、これを20年前倒しする。3G停波、設備共有、省エネ技術導入など各種要因の積み重ねによって実現する(図1)。

図1:KDDIは、2030年度までにCO2排出量実質ゼロを目指す。従来の目標から20年前倒しする。3G停波、設備共有、省エネ技術導入など、各種要因の積み重ねによって実現する(出典:KDDI)図1:KDDIは、2030年度までにCO2排出量実質ゼロを目指す。従来の目標から20年前倒しする。3G停波、設備共有、省エネ技術導入など、各種要因の積み重ねによって実現する(出典:KDDI)
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 KDDIは現在、年間約100万トンのCO2を排出している。これは一般家庭の約50万世帯分に相当する。このうちの98%は携帯電話基地局、通信局舎、データセンターで使う電気である。今後、5Gの普及と通信量の増大によってさらなる電力消費が想定されることなどから、カーボンニュートラルの実現に向けて携帯電話基地局や通信設備などの省電力化と再生可能エネルギーの利用を従来計画より大幅に前倒しする。

 省電力化に関しては、2022年3月末にauの3G携帯電話向けサービス「CDMA 1X WIN」の終了による3G停波での削減を見込んでいる。加えて、省電力や再生可能エネルギー分野でのパートナーシップや、新しいテクノロジーの導入によるCO2排出量削減にも取り組んでいく。

 2024年度には、通信局舎とデータセンターに、いくつかの省電力技術を導入する。1つは、トラフィックに応じて通信用設備のCPUを制御し、消費電力を最大20%削減するAI技術である。1つは、液体でIT機器を冷却する液浸冷却装置である。

 また、曲げられる太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」を、将来的に携帯電話基地局に導入することを検討している(関連記事サーバーを液体冷却、コンテナ型データセンターで消費電力43%減─KDDI、三菱重工、NECネッツエスアイ)。

 CO2排出量削減に向けたKDDIの取り組みは以下のとおり。

  • 携帯電話基地局や通信局舎で使う電気の再生可能エネルギーへの切り替え(非化石証書の活用を含む)
  • 携帯電話基地局への太陽光発電設備の導入
  • 携帯電話基地局や通信局舎における省電力技術の導入
  • 携帯電話基地局設備の他社との共用
  • エネルギー効率が高い通信局舎の新設
  • 自社オフィスへの、再生可能エネルギー導入
  • 災害時など非常時の電源車への水素発電の導入
  • KDDI Green Partners Fundを通じた環境取り組みへの投資
  • データセンター利用状況に応じた空調効率の最適化

 また、KDDIグループがTELEHOUSEブランドで展開している全世界のデータセンターにおいては、2026年度までにCO2排出量実質ゼロ実現を目指す。直近の2022年3月24日には、英国ロンドン市内に、CO2排出量実質ゼロのデータセンター「TELEHOUSE South」を開業した。風力、太陽光、バイオマス、水力発電から調達した再生可能エネルギー100%で運営している。

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