IHIと富士通は2022年4月12日、CO2削減量をブロックチェーンでトークン化して市場に流通させる共同事業を開始したと発表した。具体的には、IoT基盤「ILIPS」(IHIが提供)で収集したデータからCO2削減量を算出してトークン化し、異なるブロックチェーン同士を連携させるセキュリティ技術「ConnectionChain」(富士通が提供)を使って市場に流通させるシステム基盤を構築する。これにより、環境価値(脱炭素効果を取引可能な価値として権利化したもの)を効率的に流通させることを目指す。
IHIと富士通は、CO2削減量をブロックチェーンでトークン化して市場に流通させる共同事業を2022年4月1日に開始した。脱炭素効果を取引可能な価値として権利化した「環境価値」を、効率的に流通させるためのシステム基盤を構築する(図1)。
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具体的には、IoT基盤「ILIPS」(IHIが提供)で収集したデータからCO2削減量を算出し、ブロックチェーンでトークン化する。さらに、異なるブロックチェーン同士を連携させるセキュリティ技術「ConnectionChain」(富士通が提供)を使って、トークンを環境価値市場に流通させる。
両社は、これに先駆け、2022年3月末にILIPSとConnectionChainを連携させて環境価値取引市場にトークンを流通させる実証実験を実施し、これを完了している。今回、この結果を踏まえ、共同事業としての取り組みを開始する。2022年度中のシステム基盤の実用化を目指す。
「カーボンクレジットを活用した環境価値取引への需要が高まっている一方、環境価値取引の活性化には、カーボンクレジットの市場流通量を拡大させる必要がある。これに対して、TSVCMなどの国際イニシアチブは、取引規模の拡大に向けた提言や取引制度の標準化活動を推進している。国内においては、官民が連携し、カーボンクレジット活用のための環境整備の検討などを進めている」(両社)。