NECと日本IBMは2022年6月24日、NEC玉川事業場内の共創施設「NEC CONNECT 5G Lab」にローカル5Gを活用したインフラ保全システムのデモ環境を構築したと発表した。デモ環境は、保全業務の流れに沿って、3つのシナリオで構成している。今後、同環境を使ってユーザーやパートナーと共創活動を実施し、インフラ保全システムの社会実装を目指す。
NECと日本IBMは、NEC玉川事業場内の共創施設「NEC CONNECT 5G Lab」に、ローカル5Gを活用したインフラ保全システムのデモ環境を構築した。両者は2022年1月にインフラ保全システムの開発に向けて協業を開始しており、今回、IT/OT/ネットワークを組み合わせ、保全業務を効率化・自動化するデモ環境を構築した。今後、同環境を使ってユーザーやパートナーと共創活動を実施し、インフラ保全システムの社会実装を目指す。
![図1:ローカル5Gを活用したインフラ保全における3つのシナリオ(出典:NEC、日本IBM)](/mwimgs/1/e/600/img_1e0a0f004e7de00dcb57b1c89b7a955c112452.jpg)
デモ環境は、保全業務の流れに沿って、以下の3つのシナリオで構成している(図1)。
- 複数のIoTセンサーを用いてリアルタイムにデータを取得し、AIで異常を検知する
- 最適な保全業務を選択して割り当てる
- ローカル5Gを用いてロボットを遠隔操縦または自律操縦し、映像を伝送する。遠隔操縦において、無線LANとの操縦感を比較する
取り組みの背景について両社は、社会インフラを持続可能なものにするため、予防保全が求められていることを挙げる。「異常気象の激甚化などによる災害リスクの増大や老朽化など、社会インフラを取り巻く問題が顕在化している。一方、インフラの保全業務にあたる労働力の不足や、熟練作業者の高齢化、危険作業の安全確保といった課題があり、保全業務の効率化・自動化が急務になっている」(両社)。