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多摩都市モノレール、列車ダイヤと車両運用をAIで最適化、年間5%の運用コスト削減を見込む

2022年6月27日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

多摩都市モノレールは、列車ダイヤと車両運用をAIで最適化し、2022年3月12日のダイヤ改正に成果を適用した。これにより、年間5%程度の運用コストの削減を見込む。最適化を実施した東芝インフラシステムズと東芝が2022年6月27日に発表した。

 多摩都市モノレールは、列車ダイヤと車両運用の計画を作成するシステムとして、輸送計画システム「TrueLine」(東芝グループが開発・提供)を利用している。今回同社は、TrueLineのダイヤデータ資産をもとに、AIを活用した輸送計画の最適化に取り組んだ。

図1:車両運用計画作成業務フローにおけるAIの位置付け(出典:東芝インフラシステムズ)図1:車両運用計画作成業務フローにおけるAIの位置付け(出典:東芝インフラシステムズ)
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 輸送計画の最適化にあたっては、TrueLineが搭載している3つのAI(検査・清掃計画AI、配車AI、運用循環AI)を調整しながら、列車ダイヤと車両運用の計画を最適化する検証を重ねた。検証の結果、AIの活用によって日々の各種作業計画が容易になること、計画に乱れが発生した場合にも迅速に再計画が可能なこと、運用コストの削減効果もあること、などが分かった(図1)。

 これを受けて多摩都市モノレールは、2022年3月12日のダイヤ改正に成果を適用した。年間5%程度の運用コストの削減を見込んでいる(写真1)。

写真1:多摩都市モノレールの車両基地(出典:東芝インフラシステムズ)写真1:多摩都市モノレールの車両基地(出典:東芝インフラシステムズ)
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現状は専門従事者が「検査・清掃計画」と「配車計画」を作成

 鉄道会社は、列車ダイヤに従って列車を運行している。全車両を同時に使えるわけではないことから、各種検査や清掃のスケジュールを決める「検査・清掃計画」と、各列車ダイヤをどの車両で運行するかを決める「配車計画」を組み合わせて車両を運用している(画面1)。

画面1:検査/配車管理サービスの画面(出典:東芝インフラシステムズ)画面1:検査/配車管理サービスの画面(出典:東芝インフラシステムズ)
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 検査・清掃は、営業運転の合間に車両基地で行っている、このことから、使用可能な車両を選んで配車計画を作成しなければならない。さらに、列車のダイヤは平日と土休日で異なるため、日跨ぎのつなぎを考慮して車両を循環させて運用しなければならない。

 検査・清掃計画と配車計画は相互に関連付き、かつ条件の組み合わせの数が多い。このことから、現状では、専門の知識と経験を持つ従事者が、時間をかけて作成している。最適な計画を得ることが難しいほか、一部に変更が発生すると計画の再作成に労力を要する。

検査・清掃計画、配車、運用循環の3つのAIを調整

 今回、検査・清掃計画AIの検証では、各種検査と清掃に関して、規定の周期や作業工数を守りつつ、作業の回数を最小化(周期を最大化)することを目標に設定した。検証の結果、効率の良い検査と清掃作業が計画可能であることを確認した。また、一部の計画に変更が生じても、短時間で再計画を完了した。

 配車AIの検証では、検査・清掃計画の結果を利用し、日々の配車をAIで計画した。日々の基本運用計画に対し、配車可能な車両を検査・清掃計画の結果から抽出し、配車が計画できることを確認した。また、一部の計画に変更が生じても短時間で再計画を完了した。

 運用循環AIの検証では、車両を均等に運用し、平日と土休日の異なるダイヤでも同様な運用となるように単純化し、検査時期が均等に訪れるような運用順を計画可能であることを確認した。また、出入庫順も問題なく計画できること、縦列留置となる車両は出入庫時間差を大きくすることで、ダイヤに乱れが生じても基地内の運用をできるだけ変えずに済む計画を作成できること、などを確認した。

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